2011/02/16

寒いと足がつるのはなぜか



「足がつる」と仰る患者さんに、面倒なときには、「寒いからですよ」というと、

「なるほどね」と納得なさる。

おいおい、そこで納得しちゃいけないんですよ、と思いながらも、納得して下さり有り難い、と思っております。



どうして寒いとつるのでしょうか、と聞くと、「血の流れが悪くなる」と仰る。

本当にテレビの力は恐ろしいですね。発想が単純すぎます。

こんな説明も前にしたことがある。 鵜川医院ブログ: どうして足がつるのか

あるいはこんな記事。鵜川医院ブログ: 足がつりやすい人



でも、こういう発想が出来ないかと、思います。

寒い日に寝ていますと、何度も何度も伸びをすることに気づきませんか?

寒い日にはどうしても体動が少なくなり、身体を丸めて寝ているために、時々身体を伸ばさざるを得ないらしい、と私は思います。



足がつるのは、伸びをするときですね?

一回の伸びよりも、数回伸びを繰り返す方が、足がつるチャンスは大きくなるでしょう。

したがって、寒い日はつりやすくなる、という発想も出来るんじゃないでしょうか。

(だったら例えばふとんを大きくしたら?とかいう発想も出来ますよね。人生が面白くなる)



むろん、私の「寒いからですよ」の一言で

「あ~なるほどな」と言ってくださるのは、外来でのお話の時間を短縮してくださろうとする

みなさんの優しさ

なのでしょう。ありがたい事です。



でも、本当に「血の循環が良くない」だけで納得しているのだとしたら、それは良くない。

そういう単純な考え方をしていますと、

ご友人から「血の巡りが良くなるわよ」とサプリメントを勧められると、

「ああそうか」と買ってしまいかねません。



ただ、「血の巡りが悪いから」というワン・フレーズは、世の中の外来で浪費される時間を、

累計何億時間も節約した可能性はあるので、一概にテレビを責めることは出来ません。

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