武田製薬のダーゼン ®(一般名:セラペプダーゼ)が自主回収になりました。
去痰作用があるのは事実なので、今後の展開を考えると興味深いです。
少し想像してみました。
現在、単独で去痰作用のあるOTCはクールワン去痰カプセル(杏林製薬のムコダインのOTC)とストナ去痰カプセル(杏林製薬→サトウ製薬へのOEM)のみです。
そもそも必要もないのに患者さんが風邪で医者を受診するのは、医者がきらいな抗ヒスタミン薬を含んだ合剤がOTCの風邪薬では大勢を占めていて、おかげで緑内障で使えないとか、中枢神経系に作用するから使えないとか、便秘するから使えないとか、ますます痰が出なくて肺炎になるとか、そういう合理的な理由があります。要するに市販の風邪薬がダメダメなんです。
風邪の治療はちゃんと基本に戻って、暖かくして寝るとか、水分をとるとか、去痰剤をメインにするとかすれば、誰でも医者にかからなくて良いはずです。肺炎にさえしなければ、基本的に風邪は治るんですから。
ダーゼンが、かつてのノイキノン ®が辿った道を歩むなら、
注:ノイキノンは、CoエンザイムQ10として現在は健康食品のひとつのように扱われている強心剤。現在、欧米ではスタチン(コレステロールを下げる薬)使用時に生じる筋肉の違和感、痛みなどに対して効果があるとして再評価されています。私も実際にスタチン使用中の方に勧めますが非常に効果があるとのこと。
ダーゼンは健康食品になり、あまり普及しないクールワン去痰カプセルのかわりに風邪や、前立腺炎や副鼻腔炎や打撲などに気軽に使われるようになるかもしれない。
そうしたら、風邪で無駄に医院を受診する患者さんは減るかも知れません。基礎疾患があるからとかいう理由で、風邪でも医院を受診する患者さんにも使えるだろう風邪薬が薬局に行けば買えるのですから。
と、考えれば悪くないかも知れない。
それに、日本の健康食品業界はCoエンザイムQ10同様、ダーゼンにすごい効能効果を付加してくれるかも知れない。
例えば、ダーゼンに美白効果とかね。
ああそうだ、効能が不明なんですね。これは簡単です。
ムコ多糖体を分解する酵素である。通常分泌されたムコ多糖体は膠質浸透圧を持ちます。従って、ムコ多糖類を溶かすと膠質浸透圧が低下して理論的にはその部位の浮腫は軽減は可能。しかし漏出性の浮腫の場合かなりのタンパク質がありますので、それについては難しいかも。逆に甲状腺機能低下症の浮腫には効いたはずです。(すでに過去形)
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