ちょっと時間があったらapp作っても良いんだけど、そういうマッシュアップは文句言われそうだからやり方だけ書く。
基本的に、良質の医療情報を日本語で得たい時には、
1)Uptodate.com
2)メルクマニュアル日本語版
3)厚生労働省
4)大学の医学部
5)アドセンス広告を出していない、医師が書いた記事(要するに僕みたいな)
で、情報源としてやめたほうが良いのは、
1)マスコミ
2)アドセンス広告出してるサイトすべて
となる。
「胸がどきんとした」という状態を検索したいときはこうなる。
まず、Uptodateにアクセスして、「胸 どきん」で検索する。
これだけで、もうかなりそれらしいのが出てくる。
次にメルクマニュアルに行く。
ぶっちゃけUptodateのほうがそれっぽいのが出てくる。胸がどきんとする、という時には心臓だけではなく筋肉だとか、呼吸の不調和だとかそういうものもあるから。なるべく「動悸」みたいな言葉にしないほうが良い。それだけで筋肉性の症状に到達できなくなる。
厚生労働省みたいなのではどうか。
胸 どきん site:mhlw.go.jp などとする。
大学病院などではどうか。
胸 どきん site:ac.jp とか site:or.jp などとする。
いいですね。
で、広告のないサイトの探しかたなんですが、例えば
胸 どきん 医院 -adsense -Ads -質問
などと入れる。(後ろの語句を加えて検索)
まあ、このぐらいはやってみるのが基本じゃないかと思う。
他にも簡単な簡単な呪文があって、
胸 どきん site:or.jp
胸 どきん site:ac.jp
といったもの。
ちなみにこの質問があった場合、自分の返事は以下。
○ドキンとただの一回だけ感ずる場合に、その振動のようなものは筋肉の動き由来であろうということには異論はあるまい。
○そのドキンを生じさせる筋肉には以下を想定すれば良いだろう。すなわち、1)心筋、2)呼吸筋、3)それ以外の筋肉、4)気管支、5)食道である。
○そのうち、気管支、食道についてはそれほど現実的ではあるまい。それらの急激な収縮が他の症状無しで起きたりそれを前胸部でのみ感じる事は少ないだろうから。
○心筋については、期外収縮を感じるケースと、ただ心臓の動きとを感じるケースとがあるだろう。痩せた人がやや前屈したような時に心臓が胸腔内で踊るような感覚を生じる場合があるようだ。
○大胸筋のような筋肉が無意識にたった一回のみ収縮するという事だってあり得る。
○呼吸筋の場合には、複数の筋肉の動きが協調するのでそれらの同期が上手く行かぬ時にどきんと感じる場合があるかもしれない。
○このうち証明が可能なものがあるとしたら、期外収縮であろう。しかしその回数が少なければ実際には治療の適応になることはないし、頻度の少ないその症状だけで検査をするかと問われると合理的な理由にはならない。あなたが心拍計を自ら購入するならば別である。
○そのような違和感を感じるという時、たいていは無意識に何かをしており、われに帰った瞬間である。何をしていたのか、今自分がいるところ、おかれた状況、1分前には何をしていたか、自分は呼吸ができているのか、心臓が動いているのか、そうした事を確認してほしい。一度冷静になって見なおしてみると、実は「びくっ」となる時にはいろいろなパターンが有ることに気づくかもしれない。気づいたら教えてほしい。
○もちろん途中で明らかに症状の頻度が上昇し、これは不整脈だろうと思ったらいつでも連絡して欲しい。検査をするから。
このような小難しい問答になるだろうから、インターネットでの検索のほうがよほど気軽ではないだろうか。
2016/06/05
アオジソ、ショウガ、ワサビ、ニンニクでアニサキス症は予防されているかもしれない
天ぷらに添えられた大根おろしは、
その中のジアスターゼという酵素の働きで、
消化を助け天ぷらで胸焼けするのを防いでくれている、
というような見事な仕組みを持っています。
和食のこうした組み合わせの妙は、大根おろしに限らず、刺し身でも見られるようです。
ここにお示しする論文は、生魚の代表的な食中毒の原因であるアニサキスの活動性を、
刺し身に必ずつきものの、アオジソ、ショウガ、ワサビ、ニンニクで完全に抑制することが出来たというもので、これは取りも直さず、普通に食事をしているつもりでも、案外アニサキス症が未然に防がれているかもしれないという事実を示しているのかも知れません。
なんという知恵でしょうか。
それでもアニサキス症にかかってしまったみなさんにはご同情申し上げます。内視鏡を使わずに治す方法も用意はしていますが、良い機会だから内視鏡をお受けになってはどうでしょうか。
なぜならアニサキスだと思っていたけれども偶然胃がんや胃潰瘍が見つかる例は数%を超え、実は胃のレントゲンで引っかかってきた、という人たちよりも病気が見つかる確率が高いからです。これはアニサキスが癌などの臭いを好むからではないか、実際に胃がんのそばにアニサキスが食いつく、という症例報告が見られますがあながち無視は出来ません。
アニサキスについては以下の記事もありますのでご参考にどうぞ。
アニサキス症、実際にはこういう診察の流れです
胃アニサキス症に関する簡単なまとめ
その中のジアスターゼという酵素の働きで、
消化を助け天ぷらで胸焼けするのを防いでくれている、
というような見事な仕組みを持っています。
和食のこうした組み合わせの妙は、大根おろしに限らず、刺し身でも見られるようです。
ここにお示しする論文は、生魚の代表的な食中毒の原因であるアニサキスの活動性を、
刺し身に必ずつきものの、アオジソ、ショウガ、ワサビ、ニンニクで完全に抑制することが出来たというもので、これは取りも直さず、普通に食事をしているつもりでも、案外アニサキス症が未然に防がれているかもしれないという事実を示しているのかも知れません。
なんという知恵でしょうか。
それでもアニサキス症にかかってしまったみなさんにはご同情申し上げます。内視鏡を使わずに治す方法も用意はしていますが、良い機会だから内視鏡をお受けになってはどうでしょうか。
なぜならアニサキスだと思っていたけれども偶然胃がんや胃潰瘍が見つかる例は数%を超え、実は胃のレントゲンで引っかかってきた、という人たちよりも病気が見つかる確率が高いからです。これはアニサキスが癌などの臭いを好むからではないか、実際に胃がんのそばにアニサキスが食いつく、という症例報告が見られますがあながち無視は出来ません。
アニサキスについては以下の記事もありますのでご参考にどうぞ。
アニサキス症、実際にはこういう診察の流れです
胃アニサキス症に関する簡単なまとめ
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