天ぷらに添えられた大根おろしは、
その中のジアスターゼという酵素の働きで、
消化を助け天ぷらで胸焼けするのを防いでくれている、
というような見事な仕組みを持っています。
和食のこうした組み合わせの妙は、大根おろしに限らず、刺し身でも見られるようです。
ここにお示しする論文は、生魚の代表的な食中毒の原因であるアニサキスの活動性を、
刺し身に必ずつきものの、アオジソ、ショウガ、ワサビ、ニンニクで完全に抑制することが出来たというもので、これは取りも直さず、普通に食事をしているつもりでも、案外アニサキス症が未然に防がれているかもしれないという事実を示しているのかも知れません。
なんという知恵でしょうか。
それでもアニサキス症にかかってしまったみなさんにはご同情申し上げます。内視鏡を使わずに治す方法も用意はしていますが、良い機会だから内視鏡をお受けになってはどうでしょうか。
なぜならアニサキスだと思っていたけれども偶然胃がんや胃潰瘍が見つかる例は数%を超え、実は胃のレントゲンで引っかかってきた、という人たちよりも病気が見つかる確率が高いからです。これはアニサキスが癌などの臭いを好むからではないか、実際に胃がんのそばにアニサキスが食いつく、という症例報告が見られますがあながち無視は出来ません。
アニサキスについては以下の記事もありますのでご参考にどうぞ。
アニサキス症、実際にはこういう診察の流れです
胃アニサキス症に関する簡単なまとめ
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