序
人間はもちろん、多くの生物は甘味に抗えないことに異論を持つ人は多くないでしょう。
はたして海に住む生物もそうなのか、は興味ありますが。早速話が逸れてしまいそうになりましたが、その嗜好はおそらくすでに進化的利点を越えたのだと思います。結果として、肥満や代謝疾患という代償が静かに広がり、人類の存続には警告灯が灯っています。
本稿には誰かを断罪する意図はありません。
ただ、“果糖ぶどう糖液糖”誕生以降の甘味技術をたどります。これが歴史の転換点だ、と信じるからです。
孔子の「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」を胸に、五幕のドラマとして淡々と描き出す調査の記録――の脚本を書こうと試みました。