2017/12/23

スタチンが大腸がんの再発を抑制するのはなぜか?

Associations of Statin Use With Colorectal Cancer Recurrence and Mortality in a Danish Cohort
Timothy L. Lash; Anders H. Riis; Eva B. Ostenfeld; Rune Erichsen; Mogens Vyberg; Thomas P. Ahern; Ole Thorlacius-Ussing
Am J Epidemiol. 2017;186(6):679-687. 

コレステロールを下げる薬のうちスタチン類(HMG-CoA還元酵素阻害剤)は日本で開発されて最も使われている薬ですが、この薬はコレステロールを下げる結果、抗炎症作用を発揮するのでいろいろな副次的な効果が報告されています。大腸がんの再発や死亡率を下げるというメタ解析の論文もその一つです。

私のブログで「黄色腫」について書きましたけれど、白血球はコレステロールリッチですからコレステロールを下げることは白血球の活動をやや抑制する方向に働くと理解しておきますと、この論文の主張も、インフルエンザでのサイトカインストームにも抑制的に働いてスタチンを飲んでいる患者では死亡率が低いなどの理由も、血管内での炎症が強いメタボリック症候群の人の心筋梗塞の一次予防に一定の効果がありそうな事も説明できるというわけです。

非常に簡単に書きましたし、嘘かもしれませんがこう考えておけばいろいろなことが一元的に理解できます。