当院では診断はエコーによるものが多くありますが、経験値が非常に必要であるので通常はCTなどの検査が優先するでしょう。
入院を必要としない憩室炎の治療について
■抗生物質
- (ア) 一日一回です。
- (イ) 一週間しっかり飲みきりましょう。
- (ウ) 飲みきったら、また来院してください。
■食事
- (ア) 線維のない、流動食が基本です。
- (イ) ゼリー、ごはんはOK、パンもOK、うどんOK、そばはNG、プリンOK、酒はNG、海藻類はNG、ごぼうなど線維の多い野菜はNG、野菜はポタージュとか野菜ジュースならばOK、豆腐はOK、ヨーグルトはOK、アイスクリームOK、ごまとか、いちごとか、キウイとか、小さな種はNG。脂っこい食べ物は痛くなります。
- (ウ) 水分は多めに。ゆっくりひたすら飲むが吉。
■自己管理
- (ア) 熱を測ってください。
- (イ) 痛みを昨日と比較してください。
- (ウ) 増悪するならば入院です。(基本的には手術はしませんが・・・状況によります)
■他の薬
- (ア) 栄養剤:飲んで良いです。
- (イ) 整腸剤を処方します。ガスコンも処方します。
- (ウ) 痛み止め:チアトン・・・点滴よりも効くでしょうが、多用禁止。抗生物質が効けば痛みはおさまります。市販のバファリンは効きます。 基本的には腸を刺激しなければ痛くありません。
- (エ)海外では回復してきたときサイリアムシード(食物繊維)を勧められるようです。私は水溶性の食物繊維を普段多めに摂る様に指導しています。
■お風呂
- (ア) シャワーが良いでしょう。手早く。
■ 普段のお薬
- (ア) 血圧の薬は続行しますが利尿剤は場合により中止します。尿酸の薬も続行します。
- (イ) コレステロールの薬は、不要です。
- (ウ) 安定剤は併用大丈夫です。
憩室炎は多い病気ですが、繰り返すことがあるので普段の生活習慣の指導もかかせません。
でも、どういう生活習慣が良いのかあまりまとまった文献をしりません。water & fiber diet だけじゃだめだろうと思います。人により指導内容は変わりますが、基本的には便秘をきっかけに増悪していく場合が多いため、便秘になりそうなときの対応力は必要とされます。理解力がある人ほど入院を避ける方向に指導しますが、逆に理解力がない人は入院して管理する方が良い結果が得られるように思います。
予防目的で身体にあった整腸剤などを探し、飲んでいただいている患者さんもいます。
上の指導を読んで、そのバリエーションまで思い浮かぶ人でない限りは、自己管理は無理ではないかと思います。
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