2011/02/06

ありそうでない病気 腹部片頭痛

abdominal migraine
腹部片頭痛

という疾患概念があって、
ものすごく網を張ってるにも関わらず、
なかなか居ないのです。

小児科じゃないからか。

セロトニンも、ヒスタミンも、
おなかにとっては
痛み物質の一つです。
キニン類はどういう時に出るのかしらん。

そういえば、かつおぶしにはヒスタミン類似の
ヒスチジンがすごく多くて、
これが健康によいのだ!などとCMしてましたが、
ヒスチジンなんて、サバで腹痛、下痢が起こる原因物質なのに、
よくも健康に良いなどと、
いい加減なことを言うものだなあと、
思ったりします。

早期ダンピングは、
胃の切除後に生じる病態で、
腸管が食事によって拡張するとセロトニンが放出され、
腹痛、動悸、冷や汗などの症状が起きるというもので、
症状自体は似ています。

古い世代の、抗ヒスタミン薬は、
抗セロトニン作用を持ったり、抗コリン作用を持ったり、
いろいろ「抗」しちゃいますけど、
例えばペリアクチンがもつ、抗セロトニン作用で、
早期ダンピングを予防できるってんですが、
患者さんからは、「眠い」と言われて投薬を断念したことがあります。
そりゃそうだ。

新しい世代の、抗ヒスタミン薬は、
そういう「抗」作用がないもんで、
どっか間違うと、
腹痛いとか言い出す人がいます。
ヒスタミン1レセプターを阻害すると、
ヒスタミン2レセプターが刺激されちゃうとか、それで胃酸分泌が亢進するとか、
あるいは、コリン作動的な働きをするとか、
考えられますが。
OTCなんか飲んでも、そういう人がいますね。
そういう時に、H2RA(これも抗ヒスタミン薬ですが、胃薬です)なんか出しておけば、
症状はたぶん消えるんでしょうね。
でしょうね、なんか書いてますけども、そう処方しております。

そうそう、以前、
カルシウム拮抗薬使ってると、
おなかの調子が良いんじゃないかって書いたことなかったでしたっけ。

これは平滑筋の痙攣を予防する的な意味合いがあると思うんですけど、

片頭痛の予防にもカルシウム拮抗薬は使ったりするでしょう?

面白いところに共通点があるものです。





こんな感じで、

網張ってる病気があるわけですが、

そんなに実際あるわけでもないです。

疾患概念としては、あり得るはずなんですが。




そう、

脂肪肝の原因をまとめるつもりだったんですが、

それは今度にします。NAFLDの話です。

IRHIO以外の関連について、考えていました。

この話しても、誰もアハ体験してくれないのが悲しいんですが、

なんでなんでしょう。めっちゃくちゃ面白いのに。

3 件のコメント:

  1. 腹部片頭痛なんですね。
    片腹痛じゃなくて。

    (そこにアハ?)

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  2. はじめまして。突然申し訳ありません。
    お聞きしたいことがあり、コメントさせていただきました。。
    先日テレビを見ていて初めて腹部片頭痛という言葉を知ったのですが、症状が自分とそっくりなので、もしかして自分もそうかもしれないと思っています。
    そこでひとつお聞きしたいのですが、
    腹部片頭痛というのは、お医者さんならば誰でも知っているのでしょうか?
    最近引っ越したので、新しい病院を探しているからです。

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  3. 腹部偏頭痛という言葉を知っている消化器系医師はほとんどいないと思います。テレビで言っていましたか・・・そうですか。
    小児科の先生ならばよくご存じかと思います。

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