2011/02/11

わからないときの思考法

昨日、若い先生に聞かれたので答えたことをメモ

<お題> 腹痛の原因がわからない
~相当の激痛ですでに3ヶ月以上経過 左側腹部だそうだ~

<答え>
1)いちおう他院の結果は尊重する。しかし完全に信用もせずに、振り出しに戻る気構えも必要。
2)どんな病気だろうと考えるアプローチも必要だが、教科書を漁っても答えはでない場合があるので、どんなモダリティをまだ使っていないだろうか、という考え方をすべき。しかも相手が妊娠年齢ならば放射線を使うのは最後にしつつ。
3)試験的な投薬を行っていくというアプローチがある。
4)患者さんに常に寄り添うこと。診る間隔をあけすぎると患者さんが先に音を上げる。わからない腹痛などそれほど多くはないのだから、全力でリソースを使うこと。態度や覚悟は顔にあらわれるから心すべき。
5)色々な人に意見を聞くのは正解。抱え込まないこと。




最初の質問は、「先生、腹痛で珍しい病気って言えばどんなのがありますか」だった。

ポルフィリン症だとかそういう教科書的な答えを最初はしたのだけれど、診断に難渋していそうだったので上のような答えをした。




痛みの原因を挙げだすとキリがない。私は痛みは筋肉、神経、血管などの要素に分解して考えることにしているけれど、パッと病名がわかるとき、それは意外と患者さんが「そういえばこんなことがあった!」と教えてくれた時だったりする。だから寄り添うことがすごく大切だと、思っている。

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