2011/02/25

胃アニサキス症に関する簡単なまとめ

1978年から当院院長が収集しているデータがすごい(159例を詳細に検討している)ので、論文書きましょうと勧めておりますが。

①胃がしめつけられるように痛くなるのが典型的。他には嘔気、じんましん、寒気など。ヒスタミン遊離にともなう症状です。
②エコーの感度・特異度共に簡単に90%は超えるはずです、計算していないけど。「胃角周辺の胃壁が7mm超」これで診断して下さい。主に粘膜層の肥厚です。胃のどこにアニサキスが食いつこうが浮腫は起こるんです。
③H1ブロッカーとH2ブロッカーの合わせ技で痛みは取れます。確定診断のために内視鏡はなるべくします。「虫体を取れば痛みは取れるから」と説明するのは間違いです。きちんとヒスタミンの症状を取ってあげないと患者さんはかわいそうです。

10.5mmに肥厚しております。この肥厚が、意外と内視鏡では目立たない、というのが味噌です。

あんまり浮腫に見えないと思いますが、浮腫んでるんです。一見して除菌後だとわかります
いや、わかるようにトレーニングして下さいね。

いましたね・・・噴門も意外と多いですね

ちょっとわかりやすくNBIで

反転では取りにくく、しょうがないから上から取りました

実際は小さい虫です

胃壁が7mm以上と書きました。当院ではアニサキス症とほぼ同数、ある病気があります。それはAGMLです。それから見逃してはならない病気があります。癌です。(10%ぐらい)いずれにせよ、内視鏡の適応です。萎縮のないきれいな胃の収縮の瞬間を7mm!と診断するのはちょっと張り切りすぎです。

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