序論
1) 腹部エコーの価値
(ア) 即時性
(イ) 非侵襲
(ウ) 経済的
2) 欠点
(ア) 極端に主観的で検査に優劣がある
(イ) ハンズオンでしかトレーニングが出来ない(習得するのが難しい)
腹部エコーがCTに駆逐されてしまった理由
CTも人が読影する限り主観的ではあるが、その診断根拠であるデータは正確に残るので検証が可能である。また、一枚の写真から無限の人々がトレーニングができ効率が良い。
ではエコーは無価値か?
非侵襲的で即時性がある腹部エコーは緊急時においてもっと沢山の患者さんを救う事が出来るはずで臨床医に必要な技術
注意
腹部エコーは魔法ではないことも事実であり過信は禁物
優れた臨床検査技師によるエコーは患者との距離感が絶妙であり、魔法であるかのような誤解が起きにくい。
しかしエコーを医者が行う場合、直接診断をするという近い距離感から、時にそれが魔法であるかのような患者の誤解を生むことがある。また患者から過剰に期待されることもある。常に冷静でいよう。
本日の主題
心窩部で何を見るのか
コンベックス 2MHz-4MHz程度
フリーエアー
SMA
胃
胃の周囲のリンパ節
膵臓
肝臓
PV
胆のうの一部
心臓
食道
横隔膜
脂肪
骨
疾患へのアプローチ
症状優先でみる
所見優先でみる
症状優先:「おなかがいたい」
結石系
炎症系
ピロリ、キャンピロ、サルモネラ、O-157、ノロ、憩室炎、クローン、(クラミジアは自分は無理)
腫瘍系
GIST、pseudokidney sign、胃壁肥厚、リンパ節、実質臓器の腫瘍
アレルギー系
潰瘍系
血管系
イレウス
女性器関係(腹水など)
機能性(動きがみられるのはダイナミックMRI、エコー、透視、RI、しかし情報量が最大なのはエコー)
所見優先:
形態の異常
機能の異常
画面内のすべてが理解できるかどうか
超音波の特性、アーチファクトを知り尽くす(新しい画像処理に特有の癖もある。画像処理を調節しながら学ぼう)
新しい発見がないか常に考える(大抵は報告がある:お勉強重要)
QC(クオリティコントロール):
膵臓の描写、小さな肝嚢胞、血管腫の発見率を自らの検査の質的管理に使用する。
心窩部操作は非常に単純で、プローブは前後左右に数cm、ひねりは90度、少々のあおり操作があるのみで時間は1分に満たないけれど、これを理解すれば腹痛のかなりをカバーすることが可能だ。がんばろう。
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