2014/01/28

「ついで」受診はしないのが賢い

「風邪で来ました」と患者さんが言う。(10年ぶりぐらいの遠方の方で循環器の主治医がいたはずです。当時もいろいろな資料は持って来ず)

「うちには風邪で来る人はいないのですから、本当の理由があるのでしょう?」

「ピロリ菌が胃にいるのか心配で来ました」

「だと思いました。それが本当の理由で、風邪も引いたからいい機会だと思って来たのですね?」

「そうです」

「で、お薬手帳は持ってきていないのですね」

「そうです」

この方主治医の先生にたくさんお薬をもらっているはずなのですが、お薬の名前はわからない。
主治医は予約制だから風邪ではかかりにくいらしい。
しかし診察をしてみると、気管支から雑音がかなり聞こえます。風邪とは言い切れず困りました・・・。
もちろんこの状態で胃の検査は出来ません。込み入ったお薬の出しようもありません。高齢者ではかなり腎機能が低下している方が多いですし、薬の飲み合わせについて内科医は深く考慮しますから単純ではありません。
当院は普段癌患者さんが多いので風邪の方は必ず連絡してね、と言ってるのに来てしまっているのは当院の患者さんではないのだからしょうがないとはいえ。

ちゃんと主治医の先生も指導をしましょうよ、それから急患に対応できないタイプの予約制にするとこうして患者さんは難民になってしまうからかわいそうでしょう、とも思います。



ではこの方はどうしたら良かったのでしょうか。

「予約制」という場合には「急病の場合かかることができるのか」は確認しておきましょう。
どんな場合でもお薬手帳と血液検査結果さえあればなんとかなる場合が多いので持参しましょう。
「ついで」受診はあなたの心配事をおそらく解決してくれない場合が多く、結局通う回数は同じになります。メインの心配事があるのならば、それを医師に相談しに受診しましょう。ついでの理由が出来るまで待つのは賢い選択ではありません。



とはいえ、すべて解決したいだろう気持ちは理解できます。
メモ帳に心配事をすべて書いてあるタイプの方は得する事が多いだろう、とは思います。

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