2014/01/19

インタビューは尋問ではなくて連想ゲームだという話

自分は問診の事をインタビュー、と呼ぶことが多いです。

テレビで「患者さんになるべくイエス・ノーで答えられる質問をしてあげるのが親切なお医者さん」と主張している先生がおられて、これには私は反対の意見です。(→リンク

時間がない状態で手っ取り早く情報を引き出すにはそうせざるを得ない場合もありますが、それは必ずしも親切ではなくて自分に利があるからという側面を認めるべきです。

そういう聞き方にならぬように例えば、胃の中にびらん(荒れているところ)があるときに、
「こういうびらんはアルコールを飲んだ時、酢を濃い状態で飲んだ時、お薬の一部、硬くてとがったものを食べた時などに生じることがありますよ」
と話しかけたりします。

「私はアルコールなんか飲みません」と強く否定する患者さんがおられるのですが、この人がイエス・ノー形式の質問に慣れすぎているのではなかろうか、と少し悲しくなります。インタビューは尋問ではないので、もっとリラックスしていきましょう。

私が意図しているのは本当は連想ゲームでありまして、「先生、例えばコーヒーは荒れますか?」というような反応は大歓迎なわけです。すると「コーヒーは胃が荒れる、などと言われることがありますがそんなことは全然ありません、実は…」と面白い話に広がっていくし、この会話から患者さんがコーヒーを良く飲んだりする事がわかったり、そのコーヒーを沢山飲むことが本当は大丈夫なんだろうかと思っていることがわかったり、でも実はコーヒーは飲み過ぎなければ良いことが多いんだという説明が出来て安心してもらえたり、インタビューの本来の目的を果たしていると思うのです。

私は問診票というのが苦手というか、自分の医療の幅を制限してしまいそうでなかなか導入には踏み切れないでいます。そんな自分が今QRコード問診票というプログラム書いているんですけれどね。人間とコンピューターの狭間でもがいております。

連想ゲームというのはNHKで放送されていた番組の名前です。

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