毎週、癌研有明病院に行っていますが、そこにはPETの機械があり、癌検診も行っています。胃や大腸などの消化管に集積を認めることが良くありますが、それらは「生理的な集積」と表現され極めて実態は曖昧です。果たして「生理的」という言葉は正しいのでしょうか。
FDGが消化管に集積する理由として、次の二つが考えられます。
例えば胃の場合、ピロリ菌による炎症が強い場合や、蠕動運動が強い場合とがそれに当たるでしょう。大腸の場合、蠕動運動が強い部分に集積すると理解出来ます。
実はこのPETで集積するパターンをよくよく読むとが患者さんの訴える症状と実に一致している事が多いのです。
つまり、GERDの患者さんは食道下部への集積、FDの一部では胃に集積、IBSでは大腸の特定の部位に集積が起きやすいような実感があるのです。
蠕動が強い部分にFDGが集積する事を見出したのは癌研の看護師さんで、チューインガムを噛んでPETを受けるとあごに集積するのだから、胃に集積するのは蠕動のせいだろうと考えていたそうです。
- 炎症がある場合。
- 炎症の強い部分はブドウ糖を良く消費するためFDGが集積する。
- 蠕動運動による集積。
- 蠕動運動=筋肉の収縮であるため、やはりブドウ糖を良く消費する事による。
実はこのPETで集積するパターンをよくよく読むとが患者さんの訴える症状と実に一致している事が多いのです。
つまり、GERDの患者さんは食道下部への集積、FDの一部では胃に集積、IBSでは大腸の特定の部位に集積が起きやすいような実感があるのです。
蠕動が強い部分にFDGが集積する事を見出したのは癌研の看護師さんで、チューインガムを噛んでPETを受けるとあごに集積するのだから、胃に集積するのは蠕動のせいだろうと考えていたそうです。
GERDのように胸やけを呈する患者さんでは食道の蠕動運動が極端に亢進している一群がいるので、こうした疾患の人では集積すると思われます。つまり、GERDの病因を探る上でも極めて有用なのです。
逆にPETの精度を上げたければ事前にブスコパンなどで腸管運動を抑制しておくという方法も考えられます。そうすれば、今まで見つけにくいと言われていた大腸癌や胃癌も見つけやすくなるはずです。
逆にPETの精度を上げたければ事前にブスコパンなどで腸管運動を抑制しておくという方法も考えられます。そうすれば、今まで見つけにくいと言われていた大腸癌や胃癌も見つけやすくなるはずです。
そうした概念を頭に入れて、PETの写真を読むと極めて多様な解釈が出来、実に興味深い検査です。
ある学会発表で、PETでは胃の上部に生理的な集積が多いが、その理由が不明であるという発表があったけれども胃の蠕動運動のペースメーカーは胃体上部にあるので、全く当然の事のように思われます。
それとは関係ないけれど、MRCPを撮った時に、膵胆管以外の部分を読むのもまた一興です。
どんな検査でも、見えないと言われている部分に面白い情報が隠れている事があります。
その一つは消化管のエコーです。
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