病院に勤務する医師が、生活のためにアルバイトをせざるを得ない状況があります。
「研究日」という呼び方をしたりしていますが、実質は違う。
ほとんどのアルバイトについて雇用者側は「曜日」で労働者(この場合は医師)を拘束します。それは現在の商習慣ではやむを得ない事でしょうが。
しかし、交代制加算というものが検討されてくるとまた変わってきます。
病院はこの交代制加算を導入して医師が当直したら翌日は休みというシフトを組みたい。しかし、翌日アルバイトがあれば実際には医師は過剰労働という事になります。
現在のままでは医師の交替勤務制は絵に描いた餅です。第一外来はどうするのですか。
外来もアルバイトも手術も給与もすべて曜日にしばられている事がせっかくの理念を歪ませてしまいます。
そこで周りは何をすべきかです。
今考えているのは完全不規則業務に患者を慣れさせる、という考え。
医師の勤務などはすべてコンピューターに管理を任せてしまいそれにしたがってカレンダーを作成する。曜日はとりあえず無視です。
大きな病院では主治医制は廃止。もともと主治医制と交替勤務制は相性が悪いのです。
私がいた大学病院でのことですが、総括医のようなものがおりました。担当医の上から診ているような医師です。総括医は誰もがなれるわけではなくて、カルテを見るとすぐに全体を把握できる、俯瞰能力の高い医師が選ばれます。患者は不安な事は担当医だけでなく総括医にも部長(教授)にも相談することが出来るシステムでした。これは非常にクレームが少なく、担当医も休みが取りやすく、実際の医療ミスも少ないという良いシステムでした。これに似た二人主治医制にすでに移行している病院も多くあります。
当院は二人主治医制ですが、「院長に」「邦夫医師に」と医師を指定する患者さんがいます。それは逆に監視されにくいというリスクを負うということを意識すべきでしょう。
曜日という概念は、能力に限界がある人間のためには便利ではありますが、リソースの最適な配分を考えるにあたっては邪魔です。
それを乗り越えるにはICTの活用が不可欠です。それに必要なインフラとしてはケータイ電話があればよく、あとはそれを使えるリテラシー教育さえ行えば良い。
それを草の根でやってみたいな、と思っているのが現在の私と言えます。
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