胃の前庭部(出口に近いほう)に過形成性ポリープがあったケースです。ピロリ菌を除菌しました。
これが二年経つとこうなりました。
ほぼ消失しています。
前庭部の過形成性ポリープは、ピロリ菌除菌では消失しない場合があります。前庭部の蠕動が非常に強い場合はその傾向があります。背景にびらんが多数あったり線状発赤が目立つ場合には蠕動が強いので、患者さんには「消えますよ」と説明してしまうとあとで「消えていないじゃないか」と患者さんの信頼を失う場合があります。消化器内科医は説明には慎重であるべきです。
一方でこういうポリープが出てきます。
胃底腺ポリープです。胃体上部大弯やや前壁よりです。胃底腺ポリープはピロリ菌陰性の胃粘膜における正常所見の一つと言って良いでしょう。
結論を申しますと、ピロリ菌除菌で過形成性ポリープ(胃腺窩上皮過形成性ポリープ)は消失する場合が多く、胃底腺ポリープは出現する場合があります。
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