2009/12/02

ダイナミクスによる新規開業(2)

今日はハードウェアの話です。

■最高に重要で、一番お金をかけるべき部分
スイッチングハブとケーブルです。当院ではアライドテレシスの製品(CentreCOM GS916L)を使っています。16ポートのGigabitのものでLayer2のノンインテリジェントハブなのですが、3万円ぐらいします。普通のメーカーの数倍しますが、壊れてはいけないものなので選びました。他にもう一台使っていますが、Broadcomのチップを使っているものを選択しました。PCIのFXG-16IMVです。これも3万円ぐらいするハブです。
必要なPC、あるいはネットワーク機器(プリンタなど)の合計よりも少し多いポート数のものを導入しておくと何かと便利です。
ハブはUPS(無停電電源装置)経由で必ず電源を供給してください。
ケーブルと言えば日立なのですが、自作するのはお勧めではありません。現在Gigabitの時代になってからはケーブルを買って自分で結線するのはあまり良くないそうです。したがってカテゴリー6とか6e、あるいは7のケーブルを買って使うのが吉です。個人的には癌研有明病院のLANケーブルが日立電線製で非常にしっかりしていたので、あれに準じたケーブルが市販されていれば良いのにと思っています。

■二番目:壊れてはいけないハードウェア
サーバーの役割をするPCはハブ、ケーブルの次に壊れてはいけないハードウェアです。
正弦波出力のUPSを用意して、質の良いPCを接続します。
質の良いPCというのは、ユーザーズサイドでオーダーするようなPCの事ですが、現在は考え方が少し変化してきているので「堅牢な」PCは少なくなっています。電源がしっかりしたものを買えばよいと思います。
自分で市販の部品で組んでも良いですし、メーカー製品でも良いのですが、オーディオと同じで、
1)初期不良を洗い出すために十分にテストをする
2)しっかりエージングする
3)質の悪い部品は取り替える(ハードディスクや電源、メモリなど)
と言った注意が必要です。
さらに安全を期する為に、RAIDが流行っていますが、ダイナミクスに関してはRAIDはなんの役にも立たないと思います。却ってトラブルの元なので、昼晩2回のバックアップをしっかりするのが重要です。
バックアップは市販のNASで十分で、万が一の場合十分にサーバーの役割を果たしてくれます。
あるいはサーバーPCに準じたPCをもう一台用意しておくのも良いでしょう。

■その他のクライアントPC
ダイナミクスはMicrosoft ACCESS上で動くプログラムですから、データはクライアント上で処理されます。したがってクライアントPCが壊れると、データが壊れる可能性が出てきます。ダイナミクスはそういう意味で脆弱だと言われがちです。しかし実際には高品質のハードウェアを使用する先生が多いので、ちゃんとやれば他のメーカーよりはるかにトラブルが少ないと思います。
そのためには当然受付や診察室で使うPCも結局壊れないようにした方が良いです。
前述の、
1)初期不良を洗い出すために十分にテストをする
2)しっかりエージングする
3)質の悪い部品は取り替える(ハードディスクや電源、メモリなど)
が重要なのですが、これをしてくれるサポート業者さんはなかなかおられないのが問題かもしれません。安いので余計目にPCを買っておきましょう。

DELLやHPの安いPC(しかし買うならばビジネスモデルかWorkstationが良いです)でも十分にエージングして、負荷をかけてテストをして、初期不良がないことを確認すればちゃんと使えます。もちろん温度が高くなる場所で使ったりしたら寿命が短くなりますから、そういうアドバイスまで出来ることがサポート業者さんの条件だと考えます。

■その他
キーボード、マウス、マウスパッド、モニタ、モニタアームなどが必要です。
キーボードは東プレなどが疲れません。マウスはLogicoolのハイエンドやゲーミングマウスが疲れません。マウスパッドはプロ仕様の製品がお勧めです。モニタはIPS液晶とかVA液晶でないとピボット機能(縦にする機能)が無駄になります。モニタアームは好き好きです。

■まとめ
多くのレセコン、あるいは電子カルテでは、「ど~しようもない低品質の」PCとか周辺機器が供給され、しかもそのアップグレードすら出来ません。一日中キーボードを使う医師、あるいは医療秘書のキーボードがメーカー製の1000円ぐらいのPS2キーボードという事実はナンセンスです。マウスもしかり。ダイナミクスはソフトウェアのみの供給ですが、せっかくソフトウェアが安いのですからハードウェアは自分好みのものを選ぶ、それが重要であると思います。

■おまけ
ダイナミクスユーザーにはPCが好きという御仁が多く、「非常にコストパフォーマンスが高い」システムを構築しておられる先生がいらっしゃいます。SNSに参加されますとそうしたノウハウを得ることが容易にできるだろうと思います。

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