メタボリックシンドローム(メタボ)の患者さんを見ると、高鉄血症になっている場合が多くそれはIRHIOという概念で説明が出来る。血液中のフェリチンという鉄関連タンパク質が高い事が観察できることが多い。フェリチンは古くは(現在はまさか使われていないと思います)腫瘍マーカーとして知られていたけれど、例えば白血病で上昇するけれど、白血球は鉄の塊みたいなものであってその代謝回転が速くなるのだから上昇するのは当然と言える。間接的に病態を観察しているわけだ。ちなみに白血球はコレステロールの塊でもある。(コレステロールが高いほうが感染症に強いとか癌に強いという議論はこれが根拠だが、疫学的にはそういう結論になるのかもしれない)話を戻すとメタボでは血液中の鉄、あるいはフェリチンが高値を示し、同時に肝障害、エコーでは脂肪肝というような所見が揃う。さらに高インスリン血症(HOMA-R高値)も示す。
当然メタボ、あるいは肝炎の患者にも鉄制限食を指導します。
ところが困った事にサプリメント類の中では「鉄」がメジャーな一角を占めているのです。
マルチビタミン&ミネラル
にんにく卵黄
鉄、ヘム鉄
ウコン
青汁
など。調べるのが大変なかたはこちらの下の方を御覧ください。
ウコンなど肝臓に良いよ良いよと飲んでいると、意外にも肝障害が強くなる場合もあります。しかしこれらは話題になりませんね。それはそうで、そもそもこうしたサプリメントの健康被害が問題になりにくいのは、
みなさんは飽きやすい
という前提があるからに他ならず、真面目に何年も飲むと逆に弊害が生じるリスクは増加することをみなさんは意識すべきです。
つまり飽きやすいことがリスクを分散していたのです。良かったですね。
私には患者さんには「真面目は良くない」と常々指導していますがその真意は上のような理由です。わかりますか?
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