アメリカ合衆国では便潜血検査は50歳以上が対象です。(リンク)
オーストラリアでも便潜血検査は50歳以上対象です。(PDF)
日本のガイドラインは曖昧です。(PDF)
アメリカの研究では50歳以上に効果、イギリスやデンマークの研究で45歳以上。日本では40歳以上で効果という論文があるものの、40歳代に限定した研究がないので実際には何歳以上で効果があるのか不明。
そこで年齢を曖昧にぼかしてあるようですが、40歳以上対象と読み取ることが出来ます。
従って市町村では40歳以上というところがほとんどでしょう。
それを無視するように人間ドックや企業検診で、20代、30代の便潜血を見ている。
その意味について彼らは深く再考した方が良いだろうと思います。
さて、便潜血検査でひっかかったあとなのですが、海外では一度全大腸検査で異常がなかった場合にはしばらく検査をしなくても良いような記述が見られます。腺腫がない場合、5年、10年、検査は必要がないと。
日本では毎年毎年便潜血陽性で再検査を指示される例がありますが、これは海外とは違うなと感じています。そんなにたくさん検査をする余裕は日本には無いと思います。
検診を有効に行うためには偽陽性を回避する工夫がとても重要に感じます。
見落とし、すなわち偽陰性をあまりに嫌う日本では、偽陽性を良しとする傾向が強いのですが、(例えば胃底腺ポリープをひっかける行為)経済への影響は小さくないと思います。患者さんに休みをわざわざとってもらって検査をするのがどれほど影響するか。検査の結果が「異常なし」ばかりでは、医療の価値は下がります。
と、思って偽陰性を減らす工夫(例えば胃底腺ポリープに関する対処法だとか)をすることが重要ではないかと思います。
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