その理由がわかりました。
私は、患者さんののどが狭いときに、
「お口から息をゆっくりと吸い込んで見てください。ゆっくりと」
と言います。すると軟口蓋が上にあがって、見やすくなります。
そのあと咽頭の左側に沿って挿入し、左梨状窩に達します。
そこで患者さんに飲み込むように言ってはなりません。
内視鏡は飲み込んでしまうととても辛いのです。
ここでも私の決めゼリフがあります。
「のどにたまった唾液はそのままためておいてください」
これで患者さんは飲み込もうと出来ません。
本当にスムーズに挿入出来ます。
患者さんはいつ通ったかがわからない、とよく言います。
確かに粘膜にタッチするのはわかるらしいのですが、力がアナログ的に変化するので、
この瞬間に入った、というのが自覚できないようです。
ただ最初からものすごく力が入ってしまい、人の言うことが耳に入らず通用しない方も。
それはしょうがないので、多少手管を使います。
それでもこのふた言は大切です。
たったふた言が、内視鏡のクオリティを決めます。
看護師さんに横から、
「鼻から吸って~口から出して」
「ゴクゴクしないで」
と言われてしまうと・・・トホホです。
ちなみに声掛けの前に、
「・・・さん、」
と付け足しておくのも効果的です。
「・・・さん、お口からゆっくり息を吸って、ゆっくり」
耳元でささやくのです。
カクテルパーティー効果です。
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