2010/03/20

内視鏡の時の声掛けについて

私は自分自身、内視鏡の時の声掛けが上手だと思っています。

その理由がわかりました。


私は、患者さんののどが狭いときに、

「お口から息をゆっくりと吸い込んで見てください。ゆっくりと」

と言います。すると軟口蓋が上にあがって、見やすくなります。

そのあと咽頭の左側に沿って挿入し、左梨状窩に達します。

そこで患者さんに飲み込むように言ってはなりません。

内視鏡は飲み込んでしまうととても辛いのです。

ここでも私の決めゼリフがあります。

「のどにたまった唾液はそのままためておいてください」

これで患者さんは飲み込もうと出来ません。

本当にスムーズに挿入出来ます。

患者さんはいつ通ったかがわからない、とよく言います。

確かに粘膜にタッチするのはわかるらしいのですが、力がアナログ的に変化するので、

この瞬間に入った、というのが自覚できないようです。

ただ最初からものすごく力が入ってしまい、人の言うことが耳に入らず通用しない方も。

それはしょうがないので、多少手管を使います。

それでもこのふた言は大切です。

たったふた言が、内視鏡のクオリティを決めます。



看護師さんに横から、

「鼻から吸って~口から出して」

「ゴクゴクしないで」

と言われてしまうと・・・トホホです。



ちなみに声掛けの前に、

「・・・さん、」

と付け足しておくのも効果的です。

「・・・さん、お口からゆっくり息を吸って、ゆっくり」

耳元でささやくのです。

カクテルパーティー効果です。

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