2010/02/12

20歳代、十二指腸潰瘍の基本戦略

20歳代の十二指腸潰瘍について基本的な戦略を述べます。

◆20歳代の特徴について(予測)
ピロリ菌の菌量が多い
薬剤の肝臓での代謝が早い
喫煙者が多い(20歳代での十二指腸潰瘍の重要なリスクファクターがそもそも喫煙)
服薬コンプライアンスが悪い
内視鏡時の反射は強い

◇予測される結果
除菌成功率が低い

■成功率を上昇させる戦略
PPIをどうチョイスするか。オメプラールかタケプロンかパリエットか
クラリスは400mgか800mgか
禁煙は絶対必要
コンプライアンス上昇のためのきちんとした説明と同意

□その他
除菌後の逆流性食道炎は心配しないで良い、むしろ改善する
除菌後の体重上昇は禁煙による影響以外は必要ない
内視鏡検査に関するトラウマを残さないように気をつける

●まとめ
ラベプラゾール20mg+クラリスロマイシン800mg+アモキシシリン1500mgを基本とし、
それにソロン、LG21などを併用することも考慮する
2週間法や、PPI倍量が保険診療で可能になるとなお良い
禁煙指導および、きちんとした服薬を指導する
除菌後は運動、食事などについても指導を行い体重上昇に留意する
成功してライフスタイルを改善させれば、その後の人生を劇的に変化させるパワーのある治療であることに我々自身が気付き、個々にきめ細かく取り組む必要がある

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