2010/01/29

良い内視鏡検査を受けるために

上部内視鏡、世に言う「胃カメラ」ですけれど、患者さんの過去、現在、未来がわかる検査ですとご説明をしています。胃の萎縮粘膜を6ないし7段階で表現する(木村・竹本の分類)事が基本となりますが、それに加えて除菌済みであるのか、今どのような薬を使用中なのか、どのような嗜好があるのか、そういう事が患者さんの病歴を聞かずともわかる(かもしれない)検査です。むろん内視鏡検査のゴールは違います。今現在癌があるかどうか、癌以外の疾患があるかどうかを示す事がゴールです。しかしそのゴールを最短距離で目指すために背景としての前述の因子は密接に関わりがありますし、それがわかれば患者さんの未来もある程度占う事が可能です。

もう一度強調しますが、内視鏡検査のゴールは今現在の状態を明らかにする、という事です。過去や未来を探るのはあくまでも内視鏡検査の余芸と言う事ができるでしょう。実際には背景を探る事は奥深い思慮を必要としますから、検査医の自己満足の上に成立している妄想という程度に患者さんはお考えください。私が説明をしてもそれらは馬耳東風で良いのです。

さて、検査は患者さんと医師、コメディカルとの共同作業だろうと思います。患者さんができる事は上部消化管を見やすい状態に整える事(緊急検査ではその限りではありません)に他ならず、このために患者さんにお願いしている事があります。すなわち、

検査の日は、スポーツドリンク(ないしは透明なジュース)を適当量お飲みになって来院下さい。

という事です。これは経験則です。
いくら飲んでも平気かと試しに一リットル飲んで検査を受けてみましたら、これは大失敗でした。
とはいえ、どのくらい飲むかでその方の性格もわかるものですから、わざと量は指示しないでお願いしています。

一番の理由は脱水の予防です。二番目の理由は糖分の補給。三番目の理由は胃の洗浄です。

飲まないで受診されますと、基礎疾患や年齢により検査が危険と判断する場合があり、脱水補正のために少し時間がかかったり、ご理解いただけない場合検査を行えない場合があることをご了承ください。

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