アメリカ合衆国の電子処方箋には以下の特徴があります。
- 腎障害の情報が入る(クレアチニン値)
- すべてのお薬をその場で用意できる薬局がインターネットで選択できる(待たされない)
- 安価な薬の中からさらに選択が出来る(これがザ・ジェネリックですよ、と薬局の都合で押し付けられることは避けられる)
- リフィルが出来る
- 市販後調査が出来る
どうですか。なんだか敗北感がしませんか?
もともとアメリカは処方箋が医師の手書きだったので、「読めない」という疑義照会が多かったそう。それが「読める!」というので日本よりも先に電子処方箋の普及が始まっているようです。
それに対して、日本の電子お薬手帳の仕様はこれです。
- 患者氏名・性別・生年月日
- 調剤年月日
- 調剤医療機関名称・都道府県・医科歯科の別・医療機関コード・医師氏名
- 処方医療機関名称・都道府県・医科歯科の別・医療機関コード・医師氏名・診療科
- 処方番号・薬品名称・用量・単位名・薬品コード識別・薬品コード
- 補足情報
- 用法レコード
- 備考レコード
笑っちゃいますか?落胆しますか?
- 処方ミス(腎障害は良く見落とされる)を防ぐ仕組みはあるのか?
- 電子的だからこそ役立つ仕組みがあるのか?
- 患者さんの利益になるのか?
- それが公益に貢献するのか?
何も満たしていません。
日本の場合、QR処方箋という仕組みの下位互換で作っているのが丸見えなんですね。
全然役立つ「お薬手帳」ではないのです。
少なくとも仕様書に絶対的に欠けているものは、
1)処方・調剤した医師・薬剤師への連絡手段がない=電話番号などが入らない
2)ロット番号などの情報がない=トレーサビリティがない
です。上記仕様ではお薬手帳として何の役にも立たないのです。
彼らの言い訳としては「データを小さくしたいから」というものを用意しているでしょうが、そんな言い訳は断じて認めません。コード化(もともと用意されています)すればもっともっとデータは小さく出来るのですから。
仕様策定のメンバーに自分を入れて欲しかったと思います。
そこで我々は、備考レコードにこれらの情報を入れることにしています。
どの電子お薬手帳アプリでも、ちゃんと仕様通りに作っていれば読み込んでくれるはずです。
お薬の情報は極めてプライベートな情報ですので、広告などはもってのほかだと思います。
私自身はお薬情報を使用した広告、CCC(カルチュアコンビニエンスなんちゃら)などによる情報収集には極力反対していく立場ですが、副作用の追跡には役立つ仕組みなので、普及させたいなという思いはあります。
第一歩として、
の2つのアプリケーションが用意されました。私が使っている電子カルテのメーカー、ダイナミクスから無料で提供されています。(もちろん広告も出ません)吉原先生に感謝。
私が使っている電子カルテからは、テキストファイルやQRコードでデータをお渡しします。
私が使っている電子カルテからは、テキストファイルやQRコードでデータをお渡しします。
私のメールアドレスと電話番号は入るようになっています。
仕様は同じなので誰が作って頂いてもよろしいと思いますが、絶対に必要な機能、例えば患者さんの電子お薬手帳から、初診でかかる病院の電子カルテへ情報を受け渡す、(MFC経由でもQRコード経由でも良いのですが)というような仕組みを提案していくつもりです。皆さんが大きな利益を得られるような仕組みにするのが当面の目標です。
みなさまのご意見を大歓迎いたします。
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