2015/04/04

下痢・軟便が6ヶ月以上続くとき

だいたい全員にこういう感じで書いて説明します。シンプルで理解しやすいと思ってるんですが。


消化障害
-消化が出来ない
--慢性膵炎など、膵液が出ない
--胆道ディスキネジアなど、胆汁が出ない
--消化を邪魔するものを食べている
-吸収が出来ない
--短腸症候群のようなもの
--熱帯スプルーのようなもの
--つまり小腸に異常があるタイプ

蠕動亢進
-アルコールによる蠕動亢進
-他の副交感神経刺激による蠕動亢進(過敏性腸症候群を含む)
-甲状腺機能亢進症

腸内細菌叢の異常
-急性胃腸炎後
-抗生物質投与後

炎症
-大腸炎(特異的・非特異的)
--潰瘍性大腸炎やクローン、あるいは細菌性大腸炎、寄生虫
-憩室炎(大腸・小腸)
-毒

アレルギー
-セリアック・スプルー
-薬剤性(含サプリメント)
--collagenous colitis, microscopic colitis
-食事

通過障害
-腫瘍
-癒着障害


そしてこれらの鑑別診断から、一気に正解に近づくために最初に食後のエコーをしてみます。病院を渡り歩く人ほど準備が悪いのでたいてい食べて来院するのです。それを逆手に取ります。
食後エコーをしてみると、胃の動き、胆嚢の動き、膵臓の様子、大腸の様子、甲状腺の様子がすべてわかりますが、これは職人芸なので他の人に簡単に真似できるとは思いません。そもそも生理学の深い理解が必要です。これと病歴を組み合わせる事で、鑑別診断を大胆に絞っていくのが私の臨床のやり方です。わけわからないと思いますが。

絶食なら絶食で別のアプローチで鑑別をしていきます。

世の中で下痢型過敏性腸症候群と診断されている人は当然これらの病気を除外されてるはずなんです。でも実際にはどうなんでしょうね、という話です。

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