2015/03/17

「専門医マニア」は長生きするのだろうか

患者さんが医者を選んで自由に受診することが本当に患者さんのためになっているのだろうかと疑問に感じることが毎日何度もあります。


頭はここ、甲状腺はここ、心臓はここで、胃腸は鵜川医院。


(じゃあ例えば風邪がひどくなったらどこに相談するの?近所に)


こんな受診あり得ないと自分なら思います。


考えてみてください。


クァルテットという演奏形態がありますが、あれは演奏者全員の息の合わせ方も大切でしょうし、暗にリーダーが決まっているのではないかと思います。全く知らない者同士が即興で演奏するのは楽しいでしょうが、医療が楽しいだけで良いのでしょうか?


患者さん自身が優れた指揮者であるならいざ知らず(見たことありません)、てんでばらばらの一流の演奏家を集めて一体何をしたいのか。


どうしても全体を見渡す指揮者、あるいはマネージャーのような働きをする人が必要じゃないでしょうか。


そもそも「専門医マニア」というのは、要求が高すぎる事が多いのです。なにか幻想を追い求めている。なのでそういう方々のマネジメントの担い手というのは実はなかなか現れないでしょう。結局のところ、幸せな最後を迎えられないのではないか、と危惧する。


お前は内視鏡だけやってりゃいいんだ的な事をはっきり仰る患者さんもおられるのですが、それならば内視鏡センターに勤めていると思います。患者さんによりよく介入したいわけで。


このブログの読者はGoogleさんによるとお若くて20-30歳代が多いから先に申し上げておきますが、「専門医マニア」は損をするだけですからやめておいた方が良い。なにか体調が不良だ、という場合には「プライマリケア」という考えがしっかりできて、それを実践している医師にかかるのが良いのです。ちょっとマニアックな医者の調べ方ですが、例えばプライマリケア学会の会員の先生を選ぶなどすると良いのではないでしょうか。


以下妄想


未来には、かかりつけ医という考え方も早々に消える可能性があります。今後日本のシステムはかなり変わっていくでしょう。自由に医師を選ぶことが出来なくなるかもしれません。しかしそれを嘆く必要はありません。
自分はICTに体調管理をある程度任せる時代になる準備がはじまっていると思います。体重、体温、加速度、脈拍、血圧、呼吸数、発汗、尿、場合によっては微弱な電流(心電図、脳波、筋電図など)、飲食したもの、アルコール、たばこ、こうしたログで精神疾患を含むほとんどの体の異変はチェックする事が可能です。


今までは医者にはかかる、という考えだったと思いますが、「必要時に介入してくる」という役割に変化してくる可能性があると思います。インターネットにおけるpush技術と似ています。


push技術が疎まれているのと同様に、そこには「管理される」という自由のなさがあって、代わりに危険ドラッグだとか、アルコール多飲やたばこのない未来があって、まるでSFみたいなのですが、おそらく「特区」みたいに、希望する人しない人が分かれていくのかもしれません。良く分かりませんが。

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