2014/08/05

より積極的に介入することにしました

介入というほど大げさではないのですが、ラガードという言葉を使いたいだけでこのエントリーは書いています。

アメリカの社会学者エヴェレット・ロジャースが提唱したイノベーター理論を応用して、健康診断の受容時期を早い順から層状に分類していくと以下のようになります。
まずイノベーターは関係ないので除きます。

アーリーアダプター(最初に飛びつく人)
アーリーマジョリティー(アーリーアダプターに早期に追随する人)
レイトマジョリティー(効果がわかってから追随する人)
ラガード(ぐずぐずしている人)
そこにネグレクト(拒否する人)を加え、5層になります。

医療機関に受診する事がない人々には介入できないので、ここで問題になるのはラガード層です。この方々は単純に「やり方がわからない」というだけで検診を受けていないのです。

主に対象となる人々:
40−64歳の方で、
社会保険家族の保険証をお持ちの人々はほとんどがラガードです。
国民健康保険の保険証をお持ちの方の半数以上がラガードです。
65歳以上の方々にはほとんど主治医がおられるので介入しません。

具体的な方法:
問い合わせ先の電話番号、あるいは申し込みハガキの書き方を外来でお教えします。
具体的には患者さんの目の前で各保険を検索してサイトを表示しプリントしています。
具体的な日程が決まっている場合にはそれを教えます。

チェック項目:
B型肝炎C型肝炎検査を受けたことがありそうか
40歳以後の便潜血検査を受けているか
50歳以後2年に1度のマンモグラフィを受けているか
子宮頸がん検診を受けたことがあるか
肺がん検診を受けたことがあるか
胃がん検診を受けたことがあるか

検診においては、やり過ぎが非常に問題になるのは当然なのですが、受けていない人のほうが圧倒的に多い事実を忘れてはなりません。欧米では便潜血検査の受診率は60%を超えると言われ、日本では20%以下とされる上に陽性となったときの精検受診率も甚だ低いのです。大腸内視鏡を繰り返して受ける人がいる一方で便潜血検査を受けていない人々が多いのは不公平すぎます。

例えばこの10年ほど、待合室に必要な検診の受け方について掲示していますがその通りに受ける方は1割といったところでした。
しかし直接患者さんに日程を説明すると、すぐさま申し込んでお受けになることが非常に多いことに気づきました。6割とは行きませんが、半数ぐらいは行ってくれるかのような手応えを感じています。伊勢原市の場合は一度受けてくださると、例えば便潜血検査は翌年もお知らせを送ってくださるようで助かります。

以下、近隣自治体での具体的な申し込み方法について書いておきますので参考にしてください。(平成26年8月5日現在)
伊勢原市
便潜血検査についてはに電話をしますと容器を送ってくださって、あとは伊勢原シティプラザなどで検診が行われている日に持っていくだけで完了です。乳がん子宮がん検診は上記電話番号に電話して予約してくださいと説明しています。かなり簡単。
秦野市
もう来年の申込みが始まっています
厚木市
受診対象者全員にお知らせが郵送されているそうです。4月から保険証が変更になった場合にはこの限りではありませんのでこのページの下部にある連絡先に問い合わせてください。
平塚市
はがきで申し込みましょう。(→リンク)日程はこちらページの予約状況を御覧ください。
大磯町
はがき申込も個別検診も行っています。(→リンク先のPDFを見ましょう
二宮町
特定健康診査といっしょに受けられたりもします。(→リンク先のPDFを見ましょう


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