2014/04/27

「ありとあらゆることを試しました」

患者さんが
「ありとあらゆることを試しました」
という言葉を使っている場合に、いくつかのことを考えます。

1)苦労・ある程度の達成感・あるいは諦め
2)知識の不足・ないしは拒絶
3)苦労を知ってほしい気持ち・ある種の訴え
4)Many = All としてしまう大雑把さ

心情はなんとなく理解は出来るのですが、
そこに不足しているものは何かというと、

1)未来への希望・医学は流動的で進歩するという認識
2)世界の広さの認識
3)具体性

です。
ここで、「◯◯は試しましたか?」という質問はNGです。
患者さんが試したことがないことであっても勝手に脳内変換して「やりましたやりました」と言う場合がほとんどであるというのが第一の理由。
二番目の理由はそのやりとりで患者さんは自発的に落胆するからです。

実際の記録を持ってきていただくと、自分が考えつくことの半分も試していないのが普通なので、「とにかく記録を持ってこいや」というのが正解なのではあります。
今までの自分の苦労を語りたいという気持ちが前面に出るあまり、損をしている典型的なセリフのひとつです。

事実の記録がある事が重要なので、お薬手帳や検査結果、明細領収書(必ずもらってください)などを保存しておくことが大切ではないかと思います。

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