ランチョンセミナー2で講演します。
「二酸化炭素を利用した内視鏡はじめの一歩」
演者:鵜川邦夫(鵜川医院)「二酸化炭素内視鏡が良さそうだとわかっていても、どうすれば良いのかわからない」という声が聞かれる。
当院は20年以上にわたって内視鏡時に二酸化炭素を用いている。
もともと防爆目的で不燃性ガスを送気するために送水タンクや専用ボタンは用意されていたのでそれを利用していただけである。当院での経験については2007年に論文として発表している。
癌研有明病院ではUCR®発売以前に導入し、そのメリットを享受している。以後も多くの医院・病院での導入に際してアドバイスをしてきた経験から最初に躓きがちな点について述べる。
- 二酸化炭素のボンベは酸素を買うのと同じ要領で購入する。医療用炭酸ガスと工業用炭酸ガスの違いは金具だけであり、医療用のボンベは簡易に交換できるような工夫がされている。3.4Lと10Lが一般的で、3.4Lを採用している医療機関が多い。ボンベや炭酸ガスは高価ではない。(地域によって値段や入手性に差があるのは事実)
- 減圧弁を自分で用意すれば(酸素の業者が数万円で制作してくれる)細かい流量の調節が可能であるが、一般的にはオリンパスの場合UCR®を、富士フィルムの場合GW-1を購入すれば良い。両社とも30万円程度であるがメリットを考えるとその価値は十分にある。ペンタックスは昔からY字チューブが標準添付されており、減圧弁あるいは流量計から直接つなげれば良い。
- 専用ボタンにこだわる必要はなく、通常の送気ボタンで構わない。むしろ細かい流量調節を行う術者はそれを好む傾向がある。二酸化炭素が漏れるのでボンベの交換頻度が増すが、極端に違うわけではない。当院での一例あたりのコストを計算するとノウハウがあるため30円以下であるけれど、概ね100円以下、と考えて構わない。
- 購入の予算よりも、術後のケアが楽になることのメリットの方がはるかに大きい。
- 安全性について、読んでおくべき文献を提示する。
- ボンベの替え時について最初は戸惑うかもしれない(UCR®に表示されるのは「供給圧」であって、「残量」ではない)ので、その原理と読み方について説明する。
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