Kunio Ukawa 2008 |
ペプシノーゲン検査は三木一正先生が開発された検査です。(→リンク参照)
さて、これに頼らずとも当院で内視鏡を受けている患者さんにおいてはより正確に胃がんのリスクを算定することが可能です。
積極的にピロリ菌除菌をしていない母集団における胃がんのリスクについては萎縮性胃炎について述べたエントリーに既出です。(→リンク参照)グラフ内の数字が癌の発見%です。木村分類を用いて萎縮を評価することと、ピロリ菌の有無を肉眼で判断することが出来る当院では過去のデータに従って胃がんのリスクを評価できます。それに従って内視鏡のフォロー間隔を決めます。これに加えて食道がんのリスクも加味します。
さて、以前に当院への受診歴があり、ペプシノーゲン検査で引っかかったと受診されたある患者さんに、以下の様な説明をしました。
あなたの胃の粘膜は前回の検査で胃粘膜萎縮(木村分類)がO-1であった。ピロリ菌はいると推測されました。
これはABC検診ではピロリ菌陽性、ペプシノーゲンI/II比陽性に相当します。すなわちC群です。(→リンク参照)胃がんの発見率は0.2%であり、2年に一度の内視鏡検査が推奨される群です。
我々のデータでは0.97%に癌が見つかっていますが、検診ではないのでより高くなる方向へバイアスが加わっています。そのようなバイアスがかかっても1%には届いていないので必ず毎年受けねばならないかというとそうではありません。ただし当院のデータでは未分化癌も0.53%見つかっています。未分化癌は少し進行が速いので2年あけてしまって手遅れにしたくはない。したがって1年以上、2年未満の間隔で内視鏡検査を受けるべきである、と患者さんを誘導しています。要するにあまりABC検診と変わりはありません。
今後の方針について2つの方法をお示しします。
2013年以後は、「基本的にはまず除菌」です。
ただし、アレルギー、肝腎機能障害、あるいは信条などにより除菌をしない場合も当然あるでしょう。
1) 内視鏡を定期的に受ける。
2) 内視鏡を定期的に受けるとともに、チャンスがあればピロリ菌の除菌を行う。
食道がんでは、特に胃と食道の接合部の癌(腺癌が多い)では家族歴が重要です。ただし、それ以外の扁平上皮癌では原因のほとんどは酒とタバコです。あとは熱い食べ物を避ける事が大切です。内視鏡の高解像度化、および色素、NBIを使用してきちんと観察する事で早期がんが容易に発見できるようになりました。慣れている医師ならば胃をみるときにきちんと食道がんも早期に発見できるので、心配ありません。
さて、これに頼らずとも当院で内視鏡を受けている患者さんにおいてはより正確に胃がんのリスクを算定することが可能です。
積極的にピロリ菌除菌をしていない母集団における胃がんのリスクについては萎縮性胃炎について述べたエントリーに既出です。(→リンク参照)グラフ内の数字が癌の発見%です。木村分類を用いて萎縮を評価することと、ピロリ菌の有無を肉眼で判断することが出来る当院では過去のデータに従って胃がんのリスクを評価できます。それに従って内視鏡のフォロー間隔を決めます。これに加えて食道がんのリスクも加味します。
さて、以前に当院への受診歴があり、ペプシノーゲン検査で引っかかったと受診されたある患者さんに、以下の様な説明をしました。
あなたの胃の粘膜は前回の検査で胃粘膜萎縮(木村分類)がO-1であった。ピロリ菌はいると推測されました。
これはABC検診ではピロリ菌陽性、ペプシノーゲンI/II比陽性に相当します。すなわちC群です。(→リンク参照)胃がんの発見率は0.2%であり、2年に一度の内視鏡検査が推奨される群です。
我々のデータでは0.97%に癌が見つかっていますが、検診ではないのでより高くなる方向へバイアスが加わっています。そのようなバイアスがかかっても1%には届いていないので必ず毎年受けねばならないかというとそうではありません。ただし当院のデータでは未分化癌も0.53%見つかっています。未分化癌は少し進行が速いので2年あけてしまって手遅れにしたくはない。したがって1年以上、2年未満の間隔で内視鏡検査を受けるべきである、と患者さんを誘導しています。要するにあまりABC検診と変わりはありません。
ただし、アレルギー、肝腎機能障害、あるいは信条などにより除菌をしない場合も当然あるでしょう。
1) 内視鏡を定期的に受ける。
ABC検診では2年に1度を推奨していますし、当院では1~2年に1度を推奨しています。個々の状況に合わせて検査をお受けになれば良いです。個々の状況とはすなわち家族歴、ピロリ菌以外のリスク(アルコール・喫煙・塩分の摂取量)、経済状態、時間の余裕などです。
2) 内視鏡を定期的に受けるとともに、チャンスがあればピロリ菌の除菌を行う。
たまたま腰痛で非ステロイド性鎮痛解熱薬(NSAIDS)を長期に服用されているようですが、今後も飲み続けなければならないのならば、除菌はNSAIDS潰瘍の頻度を1/2に下げるので除菌するメリットがあります。
内視鏡をしたときに潰瘍があったり、MALTリンパ腫などの腫瘍が見つかればこちらから除菌をお勧めします。保険が適応されます。
2013年以後は、ピロリ菌感染に対して全例保険は適応されます。家族歴に胃がんがなく、アルコール・喫煙などの危険因子がない場合、がんのリスクは若干低く、予防目的での除菌のメリットは限定されるかもしれませんが、そうした条件を個人個人にお話して、決めています。基本的には除菌をします。除菌成功後は少しフォロー間隔を開けています。(2-3年)
胃を見ると同時に当然観察することになる食道がんについて
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