例えば糖尿病があるときに、
消化剤は血糖を低下させる場合がある、
と聞いたらどう思いますか。
アルバイトで糖尿病外来をしていたときに、
患者さんを400-500人診ていたと思うんですが、
(ちなみに私は糖尿病の事は、教科書は読みましたけれど、
実際の臨床はできません。医者不足のピンチヒッターとして
診ていただけです。糖尿病には専門スタッフが多数必要ですから、
当院では糖尿病診療は行いません)
(ちなみに私は糖尿病の事は、教科書は読みましたけれど、
実際の臨床はできません。医者不足のピンチヒッターとして
診ていただけです。糖尿病には専門スタッフが多数必要ですから、
当院では糖尿病診療は行いません)
糖尿病性神経症がある人の血糖コントロールがずいぶんと
難しいなと思ったのです。それは胃の排泄障害だと思うんですが。
食事を食べてもスムーズに消化されない。
血糖降下剤を飲んでいる、ないしはインスリンを注射しても、しばらく食事が胃にとどまったり、あるいは大量に小腸に流れ込んだりする。
低血糖と、反応性高血糖を繰り返してしまい、とても血糖が不安定になるのです。
それで当時は、モチリンというホルモンと同等の働きをする
エリスロマイシンを使って胃を動かすとか、
三環系抗うつ薬を使うと良いなどの報告があったのですが、
使うには少し抵抗がありますよね。保険適応もないし。
そこで患者さんに消化剤を投与してみました。
これならば保険適応もあります。消化不良症ですから、明らかに。
入院していただいて一日中モニタリングしたわけではないのですが、
低血糖発作は減るし、ヘモグロビンA1cは改善するし、
全く無効という人もおりますが、使ってみた印象としては良かったです。
考えてみれば、
糖尿病の場合は慢性膵炎が背景に存在することもあって、
それに対しても有効なのでしょう。
消化剤は、胃内で食物を分解するので糖尿病性神経症があっても消化スピードが安定し、その結果良好な血糖コントロールを得やすくなった、という報告をするほどには私は熱心ではなかったです。
モチリンと言えば、グレリンが思い出されます。
食欲がない、食欲がない、と言ってる人の中には、胃の萎縮が木村分類のO-3の人がおられますが、グレリンが分泌されていないのかしら、などと考えます。
消化剤には他にガスを減らす効果もありますが、逆に刺激が少なくなって便秘を訴える場合もあります。総合的に考えてから投与するのが吉。
消化剤にもいろいろな味、剤型があって、それらを使い分けることも大切です。
消化器の薬というのは、味と剤型は大切だと考えています。いろいろなバラエティがあった方がうれしい。私が先発品を開発するメーカーでしたら、錠剤の形を星型にしたりして、ジェネリック薬品へ流れるのを防げないかなあなんて考えたりしますし、私がジェネリック薬品のメーカーでしたら、なんとしても飲みやすく、間違えにくい薬の開発に血道をあげると思います。
糖尿病と胃の排泄のお話は面白いですね。
返信削除六君子湯なんかも効果あるのかも・・とも思いました。
星型の薬とはすごくいいアイデア。そういう会社で働いていたなら、こっそり拝借してしまいそうです。
by ○り○っち