2009/04/03

当院の寿命

特定健診のデータを使うと様々な分析が出来ます。


今回はそのデータを使用し、信頼は何年で形成されるのか、そして当院の寿命を計算してみたいと思います。

下のグラフの青線は当院の「新患数」の推移を表しています。
当院の院長は開業前、小田原で外科として相当数の患者さんを拝見していた関係で患者数が最初から多いことがわかります。そして毎年順調に新患数が減っています。2001年に上昇しているのは私が参加したからでしょうか。しかし全くの誤差範囲内であると思います。
このまま推移しますと、新患はあと10年後にはゼロに近くなるでしょう。対数グラフにプロットしてもやはり同様の結果でした。

この結果よりわかるのは、医院というのは開業からおよそ30年も経つとプラトーに達してしまい新患を受け入れることが出来ないという悲しい事実でしょう。これは当然の結果と言えますが、医師はどんどん供給されねばなりませんし、社会のためには継承するよりは新規開業の方が良いのかもしれないという事です。荒療治にはなりますが、その方が多くの患者さんを受け入れることが出来るかもしれないのです。

もうひとつの悲しい現実は、私が参加しようが全く医院としてのパワーが伸びていないという事でしょう。2人の医師が揃ったら、2倍以上の仕事が出来そうにも思いますが、なんと実際には1+1=1という結果。院長が働きすぎだという説を取りたいところですが、あまり言い訳が出来ません。


紫色の線は、昨年度健診を受けた患者さんが当院に最初に受診した年度を求め、それを新患数で割ったものです。例えば開業初年度に受診した患者さんのうち2.4%が当院に健診を受けに来ているという事を表しています。

すると開業から4年以内に来院した患者さんの数が多い事がわかります。最初に通った医院にリピートする法則でもあるのでしょうか。あるいは単純に、「近いから」というのがその理由の真実なのかもしれません。今回の数字には、「新患で受診して何年目に最初の健診に来ているか」というデータがありませんのでわかりませんが、印象からはやはり健診に来るのには、新しく受診してからある一定の年月が経ってからというケースが多いような気がします。このデータを毎年蓄積すると、「信頼を形成するには約13年を要する」などという法則を導き出せるかもしれません。

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