2009/04/18

腰痛と便秘は表裏一体

経験した方ならわかると思うのですが、腰痛の時に排便をすると、腰がますます痛いですよね。いきめないから当然便秘になるのです。でも便秘をすると息むことが必要になりますよね。ますます辛くなる。いったいどうすれば良いのでしょうか。


[Tips] ご家族の方が排便時に後ろから腰椎を支えて差し上げると、上手くすれば無痛のまま息むことが出来るのですが・・・。

それはともかく腰痛の場合には最初から便秘する事態を想定しておかねばなりません。便を出そうと思って繊維質(例えば根菜類)を多く取ればガスが増えて腹圧が上昇し腰痛が増悪すること間違いありません。ここは普段とは逆に治療する。つまり「便秘をしてもお腹が張らないように。多少便秘することは覚悟して腰痛の急性期が過ぎるまでしのぐ」というスタンスの方がよろしいかと思います。

良くあることですが、ガスが増える類のお薬を飲んでいればそれはお休みした方が良いような気がします。それはセーブル®とかベイスン®など、糖の吸収を阻害する薬。コレスチラミン®やゼチーア®のような薬でどうなるかですが、ガスは増えなくとも脂が刺激になるかも知れず、私だったらお休みします。あとは低残渣の食事で腰痛が良くなるまでじっくりと経過を見るのが吉だと思います。

ガスコン®には消泡作用がありますが、細菌を培養するときに消泡作用がある物質を入れますと粘度が下がるために発酵しにくくなるようです。したがって私はガスコン®には消泡作用+大腸内発酵抑制作用があると考えて使用しています。(これは羊などにガスコン®を投与すると動物の体内でのメタンガス産生を劇的に減らすことが出来るという記事から勉強しました。人間でも同じなのでしょう)

乳酸菌は他の細菌の繁殖を抑えますし、発酵しても産生されるのは二酸化炭素ですからすぐに吸収されるためお腹が張りません。したがって、乳酸菌製剤とガスコン®は投与しておいた方が良いと考えています。

お腹の状態と相談しつつ、下剤を使うのか、浣腸なのか、戦略を立てますが毎日状況が変化しますのでその判断は容易ではありません。

便秘で夜中や休日に病院に駆け込むのは大変格好が良くないし、避けるべき事なので、よくよく先を見通して調節する事が必要です。便秘というのはたいそう知恵が要求される、奥深い状態と言うことが出来ます。

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