2009/12/29

Olympus CV-260SL x SONY LMD-2030w

今日、勢いに乗ってSonyStyleから取り寄せたLMD-2030wをつないでみました。

CV-260SLからHDTVのアウトプットはBNCですから、直接つながります。RGBでもYPbPr(コンポーネントとLMD-2030wでは表示される)でも接続可能です。アスペクト比は4:3の方が16:9よりも見易いです。

純正の19インチモニタよりも若干表示が小さめですが、色の再現性が大変良く、視野角による色調変化が全くないという点ですばらしいモニタだと思います。

ただし、6.6万円のHP 2470wも、BNCオス-RCAオス変換コネクタで難なくつながる上、画質もすばらしい事を考えると迷います。

ただし、私はHDTVをキャプチャするのが基本なので、アウトプットがない民生用の液晶モニタはやはり使わない。

民生用の液晶モニタを使いつつHDTVをキャプチャする方法は以下の3通り。

1) BlackMagic社のDeckLink Studioをスルーさせる。ただし、PCでプログラムを走らせないとスルー信号が出力されない。
2) HDTV信号(1080i)の分配機を使う。(XVI-2など)
3) CV-260SLのデジタル端子からHDTV信号を取り出す。

注意点は、

◆民生用液晶モニタではオーバースキャンになり、画面の上下が映らない可能性がある。

今回HP 2470wはDeckLink Studioを通したためアンダースキャンとなり、LMD-2030wは業務用なのでアンダースキャンが可能でしたので問題ありませんでした。しかし例えばDELLの2209WAはオーバースキャンらしいので、だめだという事になりそうです。

2009/12/28

Olympus内視鏡画像を、通常の液晶モニタで見る。

SONY製20インチトリニトロンモニタが昇天してしまい、Olympusから発売される新液晶モニタは欲しいものの現物がなく、また私のEndoDB2でHD画像をキャプチャするという宿題もあったため、急遽通常の液晶モニタを内視鏡プロセッサSV-260SLに接続することとしました。

[この間の数々の失敗、散財~については省いて成功例を示します]

[設定]画面に入り、HD画像を[RGB]から、[YPbPr]に変更、アスペクト比を[4:3]から[16:9]に変更します。インデックスはなんでも良いようです。これでHD用ケーブルの緑からY、青からPb、赤からPrが出力されます。解像度は1920x1080です。(1080i 60Hz)


これをBNCメス-RCAオス変換してHP LP2475wというIPS液晶採用で廉価なモニタに接続します。表示はDot by Dotとしておきますときれいです。

純正では80万円~100万円のモニタですが、10万円以下のモニタで代用できます。
画質はIPS液晶ですから、純正の前モデルよりはよほど良い。

それをさらにキャプチャする方法については、悩んだ私は色々散財しました。
どうして散財したかというと、HDコンポーネント信号(RGB)をキャプチャできるハードウェアは少ない上にSDKが高価なんです。だもので、何十万円も使ってしまいました。しかし開発環境がVS.NET 2003のみ、などという制限があり頓座。
結論としては趣味の領域としては使えるけれど汎用性がいま一つ。

そこで今日、BlackMagicのDeckLink Studio2を買ってみたところ、キャプチャは簡単で画質も良く、正直驚きました。

さて今後の展開について。

1) モニタについては、SONYの業務用液晶 LMD-2030wは直接つながりますし、1680x1080ですので、4:3とすべきか、16:9とすべきか、とりあえずどう映るのか試してみます。もうSONYに発注かけてしまいました。早ければ明日届きます。
2) BlackMagic はSDKがなんと無料!です。もともとWMVでキャプチャできそうな感じでEndoDB2でも認識はするので、マイナーチェンジでいけるかもしれません。HD画質でキャプチャしたかった先生方、お待たせしました。

ちょっとだけ燃えてきました。
まずは開発用に小さなPCを買わなければ。

2009/12/22

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群(IBS)という病名を、診断名として患者さんに説明しなくなってから数年経ちました。多彩な症状、多彩な原因を十把一絡げにしてひとつの病名とし、患者さんを混乱させる事を恐れるからです。

第一、病態が明確でない病名を、ひとつの疾患概念として定義するのは間違いだと思います。

例:10年以上にわたり過敏性腸症候群と言われている男性

「症状は?」
「過敏性腸症候群です」
「下痢?」
「下痢ではありません」
「便秘?」
「まさか!」
「ではどうして過敏性腸症候群と?」
「トイレが心配だからです」

本人の言う、下痢や便秘の定義が不明確ですから、正確な症状は不明なのですけれどなんとなくわかります。

なるほど、症状は所謂過敏性腸症候群なのでしょう。
とにかくいつトイレに行きたくなるか予想がつかない。トイレに行きたくなると我慢するのが大変、という風に解釈しました。

しかし実際に大腸の粘膜を見てみると、等張電解質液で何度も洗浄したにもかかわらず頑固に粘液多糖質が付着して、絶対に水分が吸収できないような状態になっている。恐らく乳酸菌以外の細菌が異常発酵してそれらが分泌した粘液多糖質なのでしょう。ちょうど牛やヒツジの胃はこの状態に似ています。ものすごくメタンガスが発生する状態。大腸で水分が吸収できないので相当やわらかい便である事が想像されますが、それを何年間もずっと我慢していた事によって大腸はハウストラが消失し麻痺しているような状態になっている。そして直腸とS状結腸の一部に強く痙攣する部位があったりします。

確かにこれならば便が形にならず、しかも常に下痢というわけでもなく、いきなり我慢できないほどの便意に襲われるであろう事は想像できます。これが過敏性腸症候群と言えるのかどうか、私にはわかりません。その粘液多糖質が原因なのか結果なのかもわからないのですから。しかし私ならば、こういう症例では最初に大腸内視鏡、その後はガスコンと整腸剤を投与します。ガスコンは粘液多糖質を産生する細菌の繁殖を抑えるから併用します。(牛やヒツジにガスコンを投与するとメタン産生が劇的に低下するという特許があります)ただ、治療で細菌叢が変化したりすると今度は便秘になるかもしれません。抗生物質を使う先生もおられるでしょう。(残念ながらこういう症例の便培養をしても原因究明をすることは困難)

大腸内視鏡を行なわずに症状のみで過敏性腸症候群と診断する傾向があるように思いますが、大腸内視鏡は生理的な大腸の機能などを推し量る良い機会であって、本人の了解があれば行なった方が良いのではないかと考えます。むろん大腸内視鏡を使わなくてもそうした生理機能や病態を推し量る事は注意深い問診や、他の検査でも可能です。エコー所見やPETがヒントになることもあります。要は考えるかどうかです。大腸内視鏡はただ、問診で深く聞く事が出来なかった事を想起することが出来るほど情報量が多いために個人的には重宝している検査です。単純レントゲンであれ、エコーであれ、血液であれ、尿検査であれ、生理機能に注目しつつ検査を行なう医師がどれほどいるかは疑問で、まったく個人的な興味と仮説に基づいて診療しているのが実情です。


参考リンク: IBS(nih.gov)


IBSは過去1年以内に12週間以上腹痛や腹部症状で悩んでいる状態で、そしてその症状が排便や便の性状と関連性があるもの、とされる。その症状の中にはガスや、便中の粘液も含まれている。通常、便中の粘液は肛門から数センチ以内で産生される粘液であるけれど、中には上述のようにもっと口側から産生される粘液が含まれるかもしれない。いずれにせよこの漠然とした定義に流されて、病気が大量生産されている事実を憂いている。
このリンクで注目すべきは、カフェインやアルコールには触れられているもののタバコに関してまったく触れられていない事。IBSを訴える患者さんの多くはタバコを吸わないかミント入りのタバコを吸っているが、それは当然の選択であろう。今年の7月22日、バラク・オバマ大統領はタバコに関する法律に署名をしているけれど、この法律はキャンディーやフルーツ風味のタバコ、ならびに「低タール」「マイルド」「ライト」などの命名を禁じ、そして既知の健康被害に対する警告をもっと大きくタバコのパッケージに表示するよう定めるもの。本来タバコをtolerateできない母集団に大量にタバコを供給する魔法の秘薬がメンソールであって、危惧される問題だけれど残念ながら禁止されたフレーバーの中にはメンソールは含まれていない。AltriaやLorillardが同日発表した声明を見るに、彼らはメンソールを禁止する法案を阻止するためのロビー活動に成功したように思われる。

2009/12/18

タバコとリン酸代謝に興味

タバコに含まれている無視出来ない微量のポロニウムも気になるが、(タバコを吸うだけで被爆までするとは!)タバコを吸っている人の動脈石灰化はもっと気になる。

30歳代にしてエコーをしていると大体喫煙者かそうでないかわかるのだけれど、それは動脈の石灰化による印象の差だろうか。

動脈の石灰化と言えばリン酸なのだけれど、タバコの灰には豊富にリン酸が含まれていて、しかしそれは関係ないだろう。と思ったら、こういう事なのか。あるいは血管平滑筋細胞(VSMC:vascular smooth muscle cells)が老化して骨芽細胞様に変化し、石灰化を生じているのか。スタチンとかRhoキナーゼ阻害薬と抱き合わせでタバコを売る事になるのか、興味はつきません。

2009/12/14

生活機能評価でわかること

伊勢原市では特定健診の他に、65歳以上の方では誕生月にアンケートが送付され、その結果一定の得点を満たした場合に「生活機能評価」受診券なるものが送られてきます。

「生活機能評価」は運動機能、口腔嚥下機能、認知能力、意欲などを評価して、介護認定が必要かどうかの洗い出しに必要な検査らしいのですが・・・。

やけにお元気な方が「生活機能評価」受診券をお持ちになるのでそのアンケートをチェックしてみると、わかりました。

歯の治療中で食べ物を噛んで飲み込みにくい方々・・・軒並みひっかかっていました。

もうひとつは骨折や捻挫で治療中のみなさんでした。

来年の「生活機能評価」候補者の選定には、もう一工夫必要なように思います。はい。

2009/12/12

一次除菌に関するまとめ

日本臨床第67巻12号(2009)が Helicobacter pylori 特集でしたので、その記事から要点をかいつまんで、また私の見方を加えてメモ書きとします。
2013/2/23追記しました。(青字)

一次除菌法の現状と問題点~杏林大学医学部第三内科徳永健吾先生~
1)現在一次除菌で認められているプロトンポンプ阻害薬(PPI)はオメプラゾール、ランソブラゾール、ラベプラゾール(、エソメプラゾール)の3種類である。このうち第三相二重盲検試験ではラベプラゾールの除菌率が最も高かったが、同等であるとの報告もある。エソメプラゾールはラベプラゾール同様に除菌成功率が高い。
2)クラリスロマイシン(CAM)の量は400mgと800mgが認可されているが、両群に差はなく400mgが推奨される。
3)出血性大腸炎以外に大きな副作用は報告されていない。
4)除菌後の逆流性食道炎は増加しない。
5)プロバイオティクスなどの補助療法も注目されている。

当院での工夫について
1)CYP2C19の多形に関して、homo EM(homozygous extensive metabolizer)群、hetero EM群ではオメプラゾール、ランソプラゾールの代謝がはやく効果はランソプラゾール40mg>ラベプラゾール20mgだが、PM(poor metabolizer)群では効果はランソプラゾール40mg<ラベプラゾール20mgである。したがって当院ではまずランサップ400での除菌、したがって当院では、コンプライアンスを優先させたい、あるいはPM群であると予想できる人々にはまずランサップ400での除菌、それ以外ではラベプラゾール(あるいはエソメプラゾール)+AMPC+CAM、一次除菌が失敗した場合には全員homoないしhetero EM群と仮定してラベプラゾール(あるいはエソメプラゾール)+AMPC+CAMで除菌というプロトコルを採用している。(保険適応です)CAMの役割は抗菌作用以外にもあると考えており、まずはAMPCが十分に作用する胃内環境(pH6以上)を作ることが最優先される。
2)CAM400mg/dayを基本とするが、若年者では失敗例が多く、CAM800mg/dayを経験的に使う場合もある。
3)禁煙はしたほうがよい。治験時に相当数の喫煙者が入りデータのノイズとなっているのが問題である。このようなレビュー記事に喫煙に関して触れられていないのが極めて不満である。喫煙者では恐らくCAMが胃内分泌されず、頑固な粘液カプセルに H. pylori が保護されてしまい除菌が高率に失敗する。強力に胃酸分泌を抑制した場合には、この差は出ない可能性がある。
4)出血性大腸炎ば耐性乳酸菌の投与で抑制できているかどうかはわからない。
5)LG21やその他の薬剤の併用は恐らく一定の効果があると考える。当院での除菌においてもLG21併用は推奨している。
6)除菌後にその影響で太っては何の意味もない。ガイドラインでA推奨とするのは良いが、除菌後の全身管理も含めて考えるべし。

食道は通常気管の左側にある

「うつ伏せ」により内視鏡挿入が劇的に容易になるという発表を以前行いました。
が、これは食道が通常気管の左側に存在するので、うつ伏せにして顔を左側に向ける事が内視鏡を楽に通過させるという仮説が前提でした。
事実、今まで何人甲状腺を見たか覚えていませんが、全員食道は気管の左側にあるのです。

ところが初めて気管の右側に食道が存在している例を観察しました。


赤い矢印が食道です。

この方は、「あなたには(私のこと)絶対に私ののどは通せまい」と豪語していらっしゃいまして、おもしろいなと最初は思ったのです。ずいぶん挑戦的なセリフですが、たまたま拝見したエコーで納得しまして、なるほどこれならば普通は内視鏡の挿入に難儀するに違いないと思ったのです。

普通、「他院では内視鏡挿入をあきらめた」というような症例はうつ伏せで挿入すれば簡単に入りますが、今回は右梨状窩から挿入しようと決めました。

video

非常にだらだらした動画で申し訳なく思います。私の挿入はウンでもなく、スンでもない、いつの間にか始まり、いつの間にか終わっている、起きているのに気付かせない、そういう内視鏡を上部でも下部でも理想としております。結果として非常に抑揚のない内視鏡となりますから若い先生には物足りないでしょう。結果としては拍子抜けするほど簡単で、なんの苦もなく通過していきました。ただ患者さんに試されただけのような気がします。通ったからって別に患者さんは感動した風でもありませんでしたし。

今回は偶然そうであったというだけで、あくまでも通常は左梨状窩からの挿入が正解です。ただ、こういう事もありますという報告でした。

2009/12/07

医者は気が早い

患者さんだって、ご自分の病気がなんであるか早く知りたいでしょう。でも安心してください。医者の方がもっと早く知りたいと思っていますから。

多くの医者は気が早く、PCで起こすエラーの多くが、「待てずに余計なクリックをするから」なのです。

PCには入力バッファというのがあって、「このキーを打ってここをクリックして」という命令がバッファの中にどんどん溜まっていきます。PCの処理速度が間に合わないときも、このバッファ内の動作は忠実に再現されてしまう。ですからプリンターから書類が3セットも出力されてくる場合だってあるのです。

ダイナミクスは他の電子カルテに比べて十分速いと思うのに、それでも厳しいユーザーは「もっとスピードを」「もっとスピードを」と要求します。滋賀の岡田先生が発見された方法ですが、ハードディスクのNCQ機能を使うとダイナミクスは速くなります。それはランダムリードがNCQでは非常に速くなるからで、データベースというのはランダムリードの集合体なのですから、当然パフォーマンスが上がるのです。(SSDではNCQ関係なく速いです)NCQを利用するにはサーバーをWindows VistaかWindows 7にするか、あるいはAHCIドライバをWindows XPに導入すれば良いのです。(むろんハードディスクはNCQをサポートした製品に限ります)

手前味噌ですが、私が作った内視鏡ファイリングのEndoDB2というソフトウェアがありますが、これはスピードが命です。だいたい他のファイリングに比べると5倍から10倍くらい速いのかなあと思っております。

機械ごときに待たされるというのは大変ストレスなもので、ましてや仕事中はなおさらです。したがって、通常のハードディスクを使う場合にはNCQを使う、あるいはSSDを使うというのはコツかなあと思っております。

たぶんGoogleの社員も気が早い人が多いんじゃないかと思います。頭が良いから成果もすばらしいですね。Microsoftも優秀な社員が多いんでしょうが、巨大になりすぎるとスピードが遅くなるというのは生物と同じなのでしょう。そういう意味ではウサイン・ボルトさんは大きくて、速いと言う非常識な男。Googleはウサイン・ボルトさんになれるのかどうか、注目しています。

むろん、ダイナミクスにもウサイン・ボルトさんを目標にして欲しいです。

ダイナミクスによる新規開業(3)

本日は【運用】編

電子カルテに求められるもの、それは
1)堅牢性
2)障害時の復旧が速い事
です。

他メーカーのウィークポイントは圧倒的に「障害時の復旧コストが高い」という事です。
コストは値段x時間で表されます。

医院というのは診療が止まってはいけません。したがって、1)堅牢性を上げて障害の可能性を押さえ込んだとしても、一回でも障害が起きますと大変なコストがかかる上、pricelessのダメージを負う事すらあります。
そしてどんなに堅牢性を上げてもやはり障害発生率はゼロにはなりません。
ダイナミクスの良い点は、「障害時の復旧コストを安くできる」という事です。
「安い」とは言っていません。「安くできる」と言っています。

例えば当院でサーバーが壊れたとしましょう。しかし1分後には診療再開が出来るでしょう。
それは障害時の復旧コストが安くなるような設定にしてあるからです。
そういう【運用】が出来るかどうかが決め手であって、それが出来るサポート業者さんであれば高いサポート料を払っても結局は安いと感じるに違いありません。
むろんスキルがあれば自分で設定も可能です。私はサポート業者さんにはお願いしていません。
そして障害時の復旧コストが非常に安ければ、実は堅牢性も犠牲に出来るのです。(そうはしていませんが)

紙カルテには2)障害時の復旧コストが安いという特徴がありますが、それをJETというデータベースを採用した事によって簡単に実現したのがダイナミクスです。
むろん他メーカーが採用するPostgresSQLや、SQLサーバーでも同様の運用は可能ですがサポート業者さん、あるいは開発者は1)堅牢性に向けられて2)復旧性には目が向いていませんから冗長性のある運用を見た事がありませんし、恐らくそれをすれば目の玉が飛び出る見積もり金額になるでしょう。(実際は大した事はありませんが)
したがって他社で痛い思いをすると結局「脆弱だ」と他社が揶揄するダイナミクスにユーザーが流れ、その流れがほとんど戻っては行きません。
覆水盆に返らずと言いますが、障害時に鮮やかに復旧させてこその電子カルテです。

「わが社の電子カルテは堅牢です」などと宣伝しても、壊れるのです。障害時にいかに早く復旧させられるかについてはダイナミクスの右に出る電子カルテはありません。

長くなりましたので次回に続きます。
他社のみなさんも、障害時には1-2分で復旧できる方法を考えてください。30分とか半日、とかいう時間の概念は医療にはありません。

2009/12/02

ダイナミクスによる新規開業(2)

今日はハードウェアの話です。

■最高に重要で、一番お金をかけるべき部分
スイッチングハブとケーブルです。当院ではアライドテレシスの製品(CentreCOM GS916L)を使っています。16ポートのGigabitのものでLayer2のノンインテリジェントハブなのですが、3万円ぐらいします。普通のメーカーの数倍しますが、壊れてはいけないものなので選びました。他にもう一台使っていますが、Broadcomのチップを使っているものを選択しました。PCIのFXG-16IMVです。これも3万円ぐらいするハブです。
必要なPC、あるいはネットワーク機器(プリンタなど)の合計よりも少し多いポート数のものを導入しておくと何かと便利です。
ハブはUPS(無停電電源装置)経由で必ず電源を供給してください。
ケーブルと言えば日立なのですが、自作するのはお勧めではありません。現在Gigabitの時代になってからはケーブルを買って自分で結線するのはあまり良くないそうです。したがってカテゴリー6とか6e、あるいは7のケーブルを買って使うのが吉です。個人的には癌研有明病院のLANケーブルが日立電線製で非常にしっかりしていたので、あれに準じたケーブルが市販されていれば良いのにと思っています。

■二番目:壊れてはいけないハードウェア
サーバーの役割をするPCはハブ、ケーブルの次に壊れてはいけないハードウェアです。
正弦波出力のUPSを用意して、質の良いPCを接続します。
質の良いPCというのは、ユーザーズサイドでオーダーするようなPCの事ですが、現在は考え方が少し変化してきているので「堅牢な」PCは少なくなっています。電源がしっかりしたものを買えばよいと思います。
自分で市販の部品で組んでも良いですし、メーカー製品でも良いのですが、オーディオと同じで、
1)初期不良を洗い出すために十分にテストをする
2)しっかりエージングする
3)質の悪い部品は取り替える(ハードディスクや電源、メモリなど)
と言った注意が必要です。
さらに安全を期する為に、RAIDが流行っていますが、ダイナミクスに関してはRAIDはなんの役にも立たないと思います。却ってトラブルの元なので、昼晩2回のバックアップをしっかりするのが重要です。
バックアップは市販のNASで十分で、万が一の場合十分にサーバーの役割を果たしてくれます。
あるいはサーバーPCに準じたPCをもう一台用意しておくのも良いでしょう。

■その他のクライアントPC
ダイナミクスはMicrosoft ACCESS上で動くプログラムですから、データはクライアント上で処理されます。したがってクライアントPCが壊れると、データが壊れる可能性が出てきます。ダイナミクスはそういう意味で脆弱だと言われがちです。しかし実際には高品質のハードウェアを使用する先生が多いので、ちゃんとやれば他のメーカーよりはるかにトラブルが少ないと思います。
そのためには当然受付や診察室で使うPCも結局壊れないようにした方が良いです。
前述の、
1)初期不良を洗い出すために十分にテストをする
2)しっかりエージングする
3)質の悪い部品は取り替える(ハードディスクや電源、メモリなど)
が重要なのですが、これをしてくれるサポート業者さんはなかなかおられないのが問題かもしれません。安いので余計目にPCを買っておきましょう。

DELLやHPの安いPC(しかし買うならばビジネスモデルかWorkstationが良いです)でも十分にエージングして、負荷をかけてテストをして、初期不良がないことを確認すればちゃんと使えます。もちろん温度が高くなる場所で使ったりしたら寿命が短くなりますから、そういうアドバイスまで出来ることがサポート業者さんの条件だと考えます。

■その他
キーボード、マウス、マウスパッド、モニタ、モニタアームなどが必要です。
キーボードは東プレなどが疲れません。マウスはLogicoolのハイエンドやゲーミングマウスが疲れません。マウスパッドはプロ仕様の製品がお勧めです。モニタはIPS液晶とかVA液晶でないとピボット機能(縦にする機能)が無駄になります。モニタアームは好き好きです。

■まとめ
多くのレセコン、あるいは電子カルテでは、「ど~しようもない低品質の」PCとか周辺機器が供給され、しかもそのアップグレードすら出来ません。一日中キーボードを使う医師、あるいは医療秘書のキーボードがメーカー製の1000円ぐらいのPS2キーボードという事実はナンセンスです。マウスもしかり。ダイナミクスはソフトウェアのみの供給ですが、せっかくソフトウェアが安いのですからハードウェアは自分好みのものを選ぶ、それが重要であると思います。

■おまけ
ダイナミクスユーザーにはPCが好きという御仁が多く、「非常にコストパフォーマンスが高い」システムを構築しておられる先生がいらっしゃいます。SNSに参加されますとそうしたノウハウを得ることが容易にできるだろうと思います。