2017/08/14

特にフランスとは関係ない話

人生の一時期、フレンチクルーラーが好きになる、というのは誰にでも起きえる事象だろうか。みなさんはどうでしょうか。私にはそういう時期がありました。
もちろんその原体験はミスタードーナツ(ミスド)です。

昨今コンビニエンスストアがドーナツ業界に参入し、あまりうまく行っていないように思います。そもそもドーナツはハイカロリーなのでブームになりにくく、ドーナツ専門店ですら他のメニューを充実させようとしていたご時世です。なぜコンビニが今更参入?マーケティングしたの?と疑問を持ちつつもしっかりとケースは覗いてみます。

しかしながら組み立てに見事に失敗しちゃったよ、みたいな形も表面の質感もおかしなフレンチクルーラーが其処にはありました。となるとオリジナルが食べたくなるものです。その足でミスドに行き、買って食べてみるとやはり美味しいし、「あれ?これって生ドーナツの原点なんですか?」というまた別の疑問が湧きだした。

その新たな疑問は捨て、
「なぜコンビニのフレンチクルーラーの形は無残だったのか」
について調べる事にしました。

もちろん使うのはGoogle検索。例のごとく、検索すると役に立たないサイトが沢山出てくるので日本語(フレンチクルーラー)での検索はやめる。あらためて(french cruller cutter/shape)などで検索。アメリカのレシピサイトに飛んで、まずは伝統的なツイストの仕方を見ると、星型の金具で生地をツイストさせながら絞り出し最後は手で接着、という方法がとられている。これはこれでむろん良い。US 2041432 A として1933年に出願された特許だ。


ダンキンドーナツがオリジナルレシピであるDD Crullerから撤退した理由である「手作業が必要になる」は、この接着を自動で出来ない機械を買ったからだという事らしい。(参照)(今は違うクルーラーがある)



なるほど手作業では大変だろう。では機械では具体的にどういう仕組みで?という事になる。ミスドの確認は取れなかったが、クリスピークリームのフレンチクルーラーは全自動だという。そこでeBayで検索してみた。フレンチクルーラーを作る機械の部品だよ、というのが売っていた。Belshawという会社だ。どうも調べるとドーナツを作る機械を作っている専門業者のようだ。その会社が作ったビデオがこれ。

( https://www.youtube.com/watch?v=t9ZqOHtV0Ss )

ちゃんとフレンチクルーラーらしき形が出てくるのが驚きだ。

Belshawのパテントを検索すると、US 2921541 AとかUS 3396677 Aあたりがそうなのかなあと言う感じ。細い斜めのスリットから生地を絞り出しつつ回転を加えると確かにあの形になることが理解できる。



実は20年以上前からフレンチクルーラーの作り方は疑問だったので、ひとつ解決出来てよかったように思う。

ではなぜコンビニのフレンチクルーラーは不格好だったのか、という答えだけれどおそらく機械に起因するものではない。生地の配合が良くなくてきちんとまとまらなかったから、という結論になりそうだ。(自作でドーナツを作ろうとすると、きれいな表面にならず毛羽立つ事が多いが、まさにあの状態だろうと想像できる)

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