2)一旦それを忘れてから内視鏡検査
3)その場で1)2)をすり合わせつつ病態を理解
4)治療とフィードバック
5)超音波を利用した多角的な病態の理解
これを1万例以上繰り返します。
観察項目(胃と十二指腸)
1)萎縮
木村・竹本分類を基本。後壁優位の萎縮であったり、まだら萎縮であったり、細かく捉えるといろいろなパターンがあるがあくまで木村分類が重要。萎縮が胃酸分泌、ガストリン分泌、蠕動に与える影響を考慮する。HPの有無もほぼわかるので当然考慮にいれる。2)胃酸分泌抑制薬の効き具合の判定方法(あくまで私見)
胃底腺ポリープの増え具合、大きくなり具合3)胃の蠕動の強さ
粘膜の白いひびわれ模様
粘液のねばり
十二指腸球部の異所性胃粘膜の発赤
各部位の発赤4)消化の情報
十二指腸内への脂肪滴の残り方5)胆のう機能の情報
胆汁逆流6)受け入れ反射の有無
空気を入れたときの反応7)LESの様子
深呼吸のときの伸び具合
げっぷの様子など
これはごく一部ですが、機能的な情報を上部内視鏡で収集しながらどんな薬を使おうか、どんな指導をしようかと考える。
1)消化はやや時間がかかっているタイプ
2)油をきっとあまり食べてない
3)あまり胃痙攣のような痛みは起こしていないようだ
4)胃酸分泌は適正で多すぎるほどではない
5)受け入れ反射もある
6)胆汁逆流がなく極端な胆嚢機能異常はないかもしれない
7)昨日はアルコールを飲んだな
などと考えながら、です。
決めつけは良くない。
注意深い指導と治療。
フィードバックを受けながら修正。
現状のEBMにはフィードバック項目はほとんどない。
私が目指すのはもう一段階進んだEBMで、
複雑な条件分岐付きの治療です。
内視鏡ファイリングを自分で開発してみてこの膨大な情報をどう活用しようか、
と10年以上考えていますが答えは見つかりません。
少なくともMinimalでStandardなTerminologyでは表現できない世界がある。
エコーなどもっと複雑なのです。
ひとつ考えられるのは、内視鏡の展開図です。
コンピューターで3次元を2次元におそらくマッピングが出来る。
3D-CT、バーチャル内視鏡ではすでにポピュラーな方法ですが、
これを応用すると内視鏡の精度は飛躍的に高められる可能性はある、と考えています。
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