2012/10/07

スマートフォンで健康管理をする方に

コンピューターやスマートフォンであなたの健康を管理することはあなたに計り知れないメリットをもたらします。

我々医師は、患者さんのプライバシーに深く関わる職業ですけれど、それを別の目的で利用する事は倫理的に制限されていると考えます。他業種から見れば、そこにある宝の山はよだれが出るほど欲しいのではないかと思います。差し上げません。

私は糖尿病なんだよ、とか胃癌なんだよ、と公言することは患者さんにメリットをもたらす場合も多々ありますが、逆にそれが不利に働く場合もあります。従って、そのような情報は可能な限りご自分のコントロール下に置いておいて欲しい。健康保険証やお薬手帳、医療機関の領収証、人間ドックの結果などは大切に扱って欲しいのです。

スマートフォンで健康を管理するひとつめのメリットは、例えばそのスマートフォンを紛失した場合にデータにロックをかけることは可能で、紙データよりも安全になりうるということです。データのロックを解除することは可能かもしれませんが、その時にかかるコストが高すぎるので、犯罪を犯してまで読み取るメリットが少なくなります。

したがって、スマートフォンで医療データを管理する場合には、データの守り方についてしっかりしたリテラシーを持っていただきたいと思います。そうすれば安全なのです。

先ほど書きましたように、保険証、領収証などがすべて電子化されることがみなさんの安全を本当の意味で担保すると考えます。(生体認証がセットになる)それは世界が破滅していなければ10年後の話です。認知症の問題もありますから、医療分野での本人確認は生体認証が必須です。

そういう時代に備えてみなさんは自分の健康管理をコンピューターを使って始めておく必要があるだろうと考えます。今までそうした管理が長続きしなかった理由はその情報があまり価値のないものだったからに相違ありません。
しかしながら、医療データは医師が介在して管理することによって極めて価値の高いものに化けます。

当院ではみなさんの健康に関するデータを電子情報として蓄えていますが、それらをどのように整理してみなさんにお渡しするべきかをこの10年ずっと考えておりました。
が、みなさんにそのスキルがない以上、いくら実現しても絵に描いた餅でしかありませんでした。

しかしようやくスマートフォンというインフラが整いつつありますので、みなさんには心の準備だけははじめておいていただきたいと、思います。
色々な健康管理ソフトがありますが、テキストでデータをエキスポート出来るかを基準にお選びいただければ、あとで統合は可能です。
それが出来ないソフトの提供者があるとすれば、金儲けしか考えていないと断言ができますので近寄らないことが無難です。

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