自分が普段行なっている色々な判斷は、コンピューターにも間違いなく行えることだから、将来はロボットが医者になれば良い、と思います。
でもそれを私以外の人が作ると、たぶん違うものになります。問診票や検査から答えを出す、みたいな。
馬鹿馬鹿しい。
でもたぶん私が作るとかなりリアルなロボットになるんじゃないか、と思いますが作れないのでここで書いてしまうことにします。
例えば患者さんが「風邪を引いた」と言って来たとします。
私、プロファイリングを必ずしますから、第一声は人により変えます。
学生風の人が来た時には、「学祭いつから?」とか。
近所の70過ぎのタバコを吸ってるおじさんが来たときには、「何年ぶり?風邪」とか、「葬式ありました?」とか。
患者さんの姿、様子、様々な様子から問診を「間引く」ことと、「追加すること」を同時に行うのが私が設計するロボットです。なぜならば、ぐだぐだ問診票を書いている間に患者さんの状態が悪化したりするかもしれない、気分が変わるかもしれない、だから質問は問診票よりもシンプルな方が良いです。面倒だという気持ちが患者さんに生まれると、真の症状をマスクする可能性だってあります。
前述の質問が何を意味するかと言うと、我々は患者さんの来院の目的にあわせた検査とか治療をする。「明日はどうしても○○したい」というような。学生さんが来た時に、普通は来るわけがないのだから「明日が学祭なのでこの症状がなんとかなりませんか」みたいな相談込みで来ている可能性があるわけです。人に感染するものならアウトなのでそこは医者として別の優先事項が出てきます。タバコを吸ってるおじさんだって不安なんです。とうとう癌になったか、と。その気持ちを汲まないといけません。もともと風邪では来ちゃだめだと言ってるわけで、それでも来るには理由があるんでしょう。来院目的の優先順位として、「治りたい」ではない場合があり、それを知ることが大切なのです。
さらにこちらの余力があるときにはプラスαを提供する。
顔見て肺癌よりは食道癌かな?と思うときはある(で、だいたい当たる)ので、それとなく検査に誘導します。
キーワードは二つ。
1)患者さんの真の目的が何かを最短の時間で類推する。
患者さんが診断して欲しい病気、とか理想の治り方、みたいなものを類推するところからはじまる。
実際にその通りに行くわけがないと判断されることがもちろんあって、どうやって妥協させるかを考え、そのための伏線を問診の中にすでに練り込んでしまう。
2)勝手にプラスαの診断をする。
これがリアルな医者の仕事でありまして、問診から導き出される診断なんていうちゃちいものは、医者の仕事ではないです。
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2011年の自分、生意気ですね!!今も同じ気持ちですが。笑
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