2011/05/09

フェリチンについて

フェリチン:鉄と結びつく蛋白で、肝臓内の鉄の貯蔵量を反映するとされている。

脂肪肝があるときに、その原因として鉄の過剰状態があるという概念がある。(IRHIO)
(日本では無視されているが、本当らしいので、自分の患者さんでは測定することがある)
すると脂肪肝患者では確かにフェリチンが上昇していることが多い。
若い方では献血をしていただき、フェリチンを下げると驚くほど脂肪肝が改善します。

(古くは瀉血という治療がありました。今も肝炎に行っている先生がおられます。効果はある)

身体の中に鉄が過剰にあることは非常に不利で、脂肪肝だけでなく、糖尿病、動脈硬化に悪影響があります。また、フェリチンは腫瘍マーカーともされていますが、これは鉄過剰状態が担癌状態と相関関係にあるからだろうと考えます。

汗をかいて出すくらいしか、下げる方法が高齢者ではありません。
女性は閉経後に急激に脂肪肝が悪化してくるのはこのためでもあります。

原因としては今までの蓄積だろうと思いますが、
食べ物では臓物類、魚の血合いなどは食べないようにして下さい。
長期的に、きちんと運動をして、汗をかいて、徐々に身体の中の鉄分が出て行くようにすると、脂肪肝の改善だけでなくて、血圧低下、血糖の低下などすべてが良くなることが期待されています。

アメリカでは、「じゃあ、鉄を出す薬」を開発すればいいじゃんという発想があります。
(むろん、透析を受けている患者さんでの鉄過剰をなんとかしたいという本来の目的もあります)

キレートというのがそれです。

嘘キレートはサプリメントでは大流行です。効果はゼロです。
本物のキレート剤はかなり身体に副作用が出るので、医師の厳重な監視の下で投与されているのが現状です。輸入して手を出したりしないで下さい。

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