2011/04/25

黄色腫(消化管における)


皮膚に出来る黄色腫ではなく、消化管に出来る黄色腫について述べます。

黄色腫は、上記画像左下に見えるようなちょっとした隆起として内視鏡では認められるものです。バリウムによる胃検診でポリープと勘違いされることもあります。
少し黄色調の顆粒が隆起の内部に見えますが、これはコレステロールが黄色く見えているのです。
黄色腫を指摘されても、「私はコレステロールが高いんですよ」と医師に答えてはいけません。なぜならば皮膚の黄色腫については血中コレステロールと関連があるものがありますが、消化管の黄色腫は関係ないからです。

英語ではxanthomaと書きます。発音は「ザントーマ」という感じです。キサントーマと言うのは英語としては誤読ですが、じゃあいったい何語かと問われると、それは日本語だとしか言えません。日本のお医者さん言葉として「キサントーマ」はよく使われます。明治時代から、外来語を日本語化するときに「x」を「キサ」と呼ばせる例がかなり見られます。(キサンチンなど)私はなんとなく(格好悪い気がして)使っておりません。

この黄色腫は、炎症が起きた際がんばってくださった白血球のみなさんの残骸です。白血球はもともとコレステロールが豊富ですが、胃炎が起きますとたくさんの白血球が粘膜で活動します。それがやがて死んでしまうとマクロファージ(貪食細胞)がお掃除してくれるのですが、コレステロールを貪食したマクロファージが集積した状態がこれです。

黄色腫があればつまり、「そこには炎症があった」と、判断出来るのです。



食道に黄色腫がある場合もあります。


大腸にある場合もあります。

それぞれ、患者さんの病歴を理解しているため、「ああ、あのときに・・」と納得出来る、自分には大変興味深い所見です。

みなさんも、黄色腫を見つけたら「がんばったんだね」と褒めてあげて下さい。

1 件のコメント:

  1. http://www.howjsay.com/index.php?word=xanthoma

    ☆「発音」の仕方も,勉強致しました。。

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