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「健康のためにこれを食べなさい」という類の話題はテレビで良くやっていますが、頭の良い方は自然に「極論はすべて出鱈目だ」というのがわかっています。
「健康のためにこれを食べなさい」という話題はあまりにも露骨で出鱈目なのがすぐにわかってしまうので、「○○は有用だ」とか「○○は健康に良い」とか言う言い方をします。少し控えめですね。
そういう出鱈目には品がありません。私はブログに広告を入れていませんが、それも当然でこの右側に、「ラクトフェリンがどうのこうの」とか出てしまっては、格調もへったくれもありません。
でもだいたい、生きて行くのに食を意識するということ事態がすでに不健康な気もします。我々は確かに食べて生きていますが、それで何かの価値を得るのか。(無論それをサービスや一次産業として生業にしている方は別として)なぜ一生懸命にならねばならないのか。
よくある議論としては、自然派思考があります。自然は安全なのか。植物だって自分が食べられてしまっては生きていけませんから、様々な防御を行います。それは植物毒だったりしますから、そういうものを食べるとまずいことも起きますね。自然物だと良く、人工物だと悪いという考えそのものは単純すぎて、私は納得が出来ませんしそのような考えを持っている方々とも意思疎通は比較的困難です。
ところで人間がどのように生き残ってきたかを考えますと、やはり食に関してはリスクを回避してきたのでしょう。
ユーカリしか食べないコアラは彼らなりの進化をしたのでしょうが、過酷な自然で生き残ってきた人類は雑食という道を選んだ。その理由がリスクの分散だとしますと、結局我々が生き残っていくために知っておかねばならないことはこうなります。
①どのような食品にも、リスクとベネフィットがあります。
②売りたい方は、単一商品が売れるほうが儲けられるのでベネフィットを強調します。(テレビなどマスコミ)
(あるいは邪魔したい場合はリスクばかりを強調します)
③しかし、②に従ってしまうと消費者はリスクも背負うことになります。
④賢い消費者はリスクを分散するために、色々な食品を取ればよろしいです。つまり、健康に良い食品という考えは捨てて、様々な食品を取った方が良いという事です。
さて、食品の場合はこうなのです。
ではお薬の場合はどうでしょう。私は5種類以上のお薬を同時に処方するときに、その相互作用を考えるのがかなり面倒なのであまり好きではありません。したがって処方に関してはシンプル・イズ・ベストという理念を持ってはいるのですが・・・たまに私のこういう考えの斜め上を行ってしまう患者さんも当然いらっしゃいます。
ある患者さんは30種類以上のサプリメントを服用していました。毎月30万円を軽く超える。
相互作用を考えますとあまりにも複雑すぎて皆目わかりません・・・「はっ!これはこれでリスクを分散しているのか?」
と一瞬でも思ってしまった私は負けたと言えるでしょう。
ドクターショッピングもリスク分散か?とか考え始めると、もはや敗色濃厚になってきましたので今日の議論は終了にします。
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