下痢腹痛が主訴の比較的若い女性の大腸内視鏡をしたときに、
1)RSを超えたあたりで軽く骨盤壁と大腸とがくっついているらしく、簡単にアルファループは作らせてはくれないし、そもそも動かない。
2)で、直線的に入れようとするのもなかなか難しい。
3)結局左回転で小さなアルファループを作ってからライトターンショートニングで直線にする、を数回繰り返さないとSDに到達しない。
4)挿入に15分以上かかってしまう。
5)大腸検査は痛くないよ、と言ってしまった手前、焦る私。
6)下剤を飲んだらすぐに透明になっているのに、便が残っていたりする。
7)S状結腸より奥の方は結構大腸が拡張蛇行している。
というようなことを経験することがあります。
骨盤内では大腸が癒着していてもそれがイレウスの原因にはなりにくいので、実生活には問題はありません。癒着はどうして起きたのかと問われるとわからないけれども、腹腔内で出血などがあってそれが糊の役目をしたのでしょうか。
でも癒着がある部分で少し便が通りにくいからこそ、下剤をかけても便が上のほうに残っているのでしょう。普段は普通に通っていても、どういう加減か屈曲が強くなってしまうと通らない。そしてそこを通そうとすると大腸の内圧を上げざるを得ず、勢い余って一気に出てしまうので腹痛・下痢になってしまうのではあるまいか。
痛みが月に一回、排卵と月経の間ぐらいだったりすることがあります。その時期は腸も少し浮腫気味になるのかもねえ、というような話をしてお茶を濁します。(見たわけじゃないが、経験上そういう女性が多い)
自分が専門家だったら腹腔鏡で見てみたいところだけれどそれも能わず、そういう時期には繊維質、特に根菜類は食べないこと、調子の悪い時期にガスコン+ビオスリー、あるいはそれに塩類下剤を加えること、などを指導しています。下痢なのに、下剤を出すわけです。
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