こういうエントリを読んだ。
おっしゃることは良く分かる。
病院のインターフェースを統一したほうが患者さんは混乱しない、というお話だと理解した。
私にかかっている患者さんはしばしば病院のインターフェースは高度すぎて混乱する。そういうときには一度帰っていらっしゃいと必ず言ってあるので、受診してくださる。患者さんは断片的にしか自分が受けた説明を覚えてはいないけれど、それを患者さんが理解できるように説明しなおしている。
説明のノウハウはたくさんあるけれども、それは重要なことではないと思う。言い回しを統一しても、相手は動物ではないのです。むしろ「堅すぎる」と感じるかもしれない。
上記のエントリで、筆者は患者さんや家族からのフィードバックを真摯に受け止めているところが非凡だと思う。筆者は自然にしておられるのだと思うけれど、一部の患者さんだけでなく、すべての患者さんから適切にフィードバックを受けられる環境づくりは重要だと思う。
言いたいことがある人から意見を聞く、のではなくて、言いたいことがあっても遠慮してしまうような人々から上手に意見を引き出すコミュニケーションスキルは、患者さんの混乱を最も予防してくれる。
それほど難しい事ではないかもしれないし、とても難しい事かもしれない。コミュニケーションが苦手な患者さんが相手ならば、手紙だってメールだってなんでも良いのだろうと思う。
誰もが上手に患者さんの意見を引き出してくれるわけでは当然ない。なので患者さんには外来で、「医師へのお話の仕方」のような小講義をすることが多い。医師とある程度会話のキャッチボールが出来るように当院で練習していただくのである。
私は、プログラムを時々作る。当初は自分の作るインターフェースを最高のものにしなければとか、フールプルーフを完璧にしなければとか、かなり気負っていたように思う。
でも、ユーザーの側から見て、使いやすいのは自分にあったインターフェースであって、「平均」では決してないらしい、という事をこの10年で学んだ。
ただ、個々のユーザーは何が自分にとって最高かどうかはわかっていないと思う。そこをサポートするまでが私の仕事なのかと思う。
結局医師としても、プログラマーとしてもやっている仕事は何も変わらない。
0 件のコメント:
コメントを投稿