超音波検査をしていてある日気付いたのですが、
ちょうど6cmぐらいの直径のある腫瘍は、骨盤にぴったりとはまり込むわけです。
卵巣嚢腫や子宮筋腫が見つかることは日常茶飯事で、それが6cmぐらいである、という時に骨盤内腔とサイズがあっている。
では6cm以上になるとどうかというと、骨盤の上に顔を出してくる。
はあ、なるほどなあと思ったわけです。
何がなるほどかと言いますと2点。
1)卵巣嚢腫は6cm以上あるとき気をつけましょう、と良く言われますが、実際に自分が卵巣嚢腫の茎捻転を診断した症例では骨盤腔の上に卵巣が顔を出していた。恐らく6cm以上になりますと、骨盤の中にはまりこめないので、くるりくるりと不安定に回転しやすくなってしまうのではないか、と想像しています。そうするとつじつまがあう。6cm以上の卵巣嚢腫は茎捻転を起こしやすいのではないか。
2)ちょうどそのぐらいの腫瘍がある人は頻尿や便秘などの症状を訴える方が多い気がする。それ以上に子宮筋腫が大きな人では逆にあまり排便には邪魔ではないようなのですが、5cm、6cmの子宮筋腫があったりすると直腸に便がたまるのに邪魔で、すっきり便が出なかったり、あるいは膀胱を圧迫してしまい頻尿になる事があるようです。
と言うことで、骨盤内を見るときには6cm、をいつも意識して検査をしています。
ちなみに医療従事者のみなさま、腹痛に対してエコーをする場合、必ず骨盤内は観察して下さい。むろん子宮外妊娠を除外するために見るのが常識だと思いますが、Krukenbergも稀ではありません。エコーはせずに上腹部CTのみオーダーしてある症例を時々見かけます。先に尿検査をして排尿させてしまうと見にくい場合がありますから、患者さんには最後にいつトイレに行ったか、などを聞いて上手に検査のオーダー(順番)を組み立てるのがよろしいです。
6cmの筋腫 とる前は、はい、薬もききにくいスッキリしない便秘と頻尿確かにありました。
返信削除まさに生のおっしゃる通りでした。
匿名様
削除赤ちゃんの頭は10cmぐらいあるので、そのぐらいまでは骨盤は許容するのではないか、と思っておりましたが、エコーの経験を積み重ねていくうちにこのような結論となっています。