保医発0221第31号
平成25年2月21日より抜粋
1 対象患者
ヘリコバクター・ピロリ感染が疑われる患者に限り、ピロリ感染症に係る検査を算定できる。
⑤内視鏡検査にて胃炎の確定診断がなされた患者
2 除菌前の感染診断
①迅速ウレアーゼ試験
②鏡検法
③培養法
④抗体測定
⑤尿素呼気試験
⑥糞便中抗原測定
(①+②は同時算定可能、④+⑤、④+⑥、⑤+⑥も同時算定可能)
(いずれかで陰性だった場合に、さらにもう1項目算定可能)
3 除菌の実施
4 除菌後の潰瘍治療
5 除菌後の感染診断
(1)除菌終了後4週間以上経過した患者について2に掲げる方法のうちいずれかで算定可能。陰性の場合さらにもう1項目算定可能
(2)④+⑤、④+⑥、⑤+⑥は(1)の規定に関わらず同時算定可能
(3)1回に限り再除菌の費用及び再除菌後の感染診断に係る費用を算定することが出来る
6 感染診断の留意事項
(1)ヘリコバクタ-・ピロリに対する静菌作用を有するとされる薬剤(PPI)が投与されている場合については偽陰性を避ける目的で、薬剤終了後2週間以上経過していることが必要
(2)抗体測定については、6ヶ月以上経過した患者について実施し、かつ、除菌前の抗体測定結果との定量的な比較が可能な場合に限り算定可能
7 レセプトへの記載
(1)潰瘍・胃炎の場合、診療報酬明細書の摘要欄に、内視鏡検査で確定診断した際の所見・結果を記載すること
(2)健康診断として内視鏡検査を行った場合には、その旨を摘要欄に記載すること
(3)感染診断を2回実施した場合にはそれぞれの検査法、検査結果を記載すること
(4)除菌後感染診断を算定する場合には除菌終了年月日を記載すること
(5)静菌作用を有する薬剤を投与している患者に除菌前後感染診断を実施する場合には静菌作用を有する薬剤の中止または終了年月日を記載すること
(6)抗体測定の場合、測定年月日および測定結果を記載すること
8 その他はガイドライン参照
2013/02/25
2013/02/22
6cm
超音波検査をしていてある日気付いたのですが、
ちょうど6cmぐらいの直径のある腫瘍は、骨盤にぴったりとはまり込むわけです。
卵巣嚢腫や子宮筋腫が見つかることは日常茶飯事で、それが6cmぐらいである、という時に骨盤内腔とサイズがあっている。
では6cm以上になるとどうかというと、骨盤の上に顔を出してくる。
はあ、なるほどなあと思ったわけです。
何がなるほどかと言いますと2点。
1)卵巣嚢腫は6cm以上あるとき気をつけましょう、と良く言われますが、実際に自分が卵巣嚢腫の茎捻転を診断した症例では骨盤腔の上に卵巣が顔を出していた。恐らく6cm以上になりますと、骨盤の中にはまりこめないので、くるりくるりと不安定に回転しやすくなってしまうのではないか、と想像しています。そうするとつじつまがあう。6cm以上の卵巣嚢腫は茎捻転を起こしやすいのではないか。
2)ちょうどそのぐらいの腫瘍がある人は頻尿や便秘などの症状を訴える方が多い気がする。それ以上に子宮筋腫が大きな人では逆にあまり排便には邪魔ではないようなのですが、5cm、6cmの子宮筋腫があったりすると直腸に便がたまるのに邪魔で、すっきり便が出なかったり、あるいは膀胱を圧迫してしまい頻尿になる事があるようです。
と言うことで、骨盤内を見るときには6cm、をいつも意識して検査をしています。
ちなみに医療従事者のみなさま、腹痛に対してエコーをする場合、必ず骨盤内は観察して下さい。むろん子宮外妊娠を除外するために見るのが常識だと思いますが、Krukenbergも稀ではありません。エコーはせずに上腹部CTのみオーダーしてある症例を時々見かけます。先に尿検査をして排尿させてしまうと見にくい場合がありますから、患者さんには最後にいつトイレに行ったか、などを聞いて上手に検査のオーダー(順番)を組み立てるのがよろしいです。
ちょうど6cmぐらいの直径のある腫瘍は、骨盤にぴったりとはまり込むわけです。
卵巣嚢腫や子宮筋腫が見つかることは日常茶飯事で、それが6cmぐらいである、という時に骨盤内腔とサイズがあっている。
では6cm以上になるとどうかというと、骨盤の上に顔を出してくる。
はあ、なるほどなあと思ったわけです。
何がなるほどかと言いますと2点。
1)卵巣嚢腫は6cm以上あるとき気をつけましょう、と良く言われますが、実際に自分が卵巣嚢腫の茎捻転を診断した症例では骨盤腔の上に卵巣が顔を出していた。恐らく6cm以上になりますと、骨盤の中にはまりこめないので、くるりくるりと不安定に回転しやすくなってしまうのではないか、と想像しています。そうするとつじつまがあう。6cm以上の卵巣嚢腫は茎捻転を起こしやすいのではないか。
2)ちょうどそのぐらいの腫瘍がある人は頻尿や便秘などの症状を訴える方が多い気がする。それ以上に子宮筋腫が大きな人では逆にあまり排便には邪魔ではないようなのですが、5cm、6cmの子宮筋腫があったりすると直腸に便がたまるのに邪魔で、すっきり便が出なかったり、あるいは膀胱を圧迫してしまい頻尿になる事があるようです。
と言うことで、骨盤内を見るときには6cm、をいつも意識して検査をしています。
ちなみに医療従事者のみなさま、腹痛に対してエコーをする場合、必ず骨盤内は観察して下さい。むろん子宮外妊娠を除外するために見るのが常識だと思いますが、Krukenbergも稀ではありません。エコーはせずに上腹部CTのみオーダーしてある症例を時々見かけます。先に尿検査をして排尿させてしまうと見にくい場合がありますから、患者さんには最後にいつトイレに行ったか、などを聞いて上手に検査のオーダー(順番)を組み立てるのがよろしいです。
内科に、順番取りで朝一番に来ない方が良い理由
インフルエンザなどウイルス感染症の人が朝一番で待合室に来ていて、すでにウイルスをまき散らしている場合があるから危険だと思います。
インフルエンザの人にいくら注意しても、朝一番に来て一番に診てもらおうと意気込んでいる人々は医療リテラシーが低いので限界がありますから、これを読んでいるITリテラシーの高い方が注意すれば良いと思い、この文章を書いています。
受付開始から30分以上経てば、それらの人々のトリアージは取りあえず終わります。当院、消化器内科で忙しい(急性腹症の方がウイルス感染症より優先します)ので、自宅で待機してもらったり、車の中で待機してもらったりする場合もあります。その後ならば感染の危険性は低くなると思います。来院はそれからで良いでしょう。
内視鏡で予約の方も、時間ぴったりに来院されることをお勧めします。
ちなみに来院前には電話をして受診されることをみなさんにお勧めしています。
インフルエンザの人にいくら注意しても、朝一番に来て一番に診てもらおうと意気込んでいる人々は医療リテラシーが低いので限界がありますから、これを読んでいるITリテラシーの高い方が注意すれば良いと思い、この文章を書いています。
受付開始から30分以上経てば、それらの人々のトリアージは取りあえず終わります。当院、消化器内科で忙しい(急性腹症の方がウイルス感染症より優先します)ので、自宅で待機してもらったり、車の中で待機してもらったりする場合もあります。その後ならば感染の危険性は低くなると思います。来院はそれからで良いでしょう。
内視鏡で予約の方も、時間ぴったりに来院されることをお勧めします。
ちなみに来院前には電話をして受診されることをみなさんにお勧めしています。
2013/02/14
インターフェースを統一するのも良いが、フィードバックしやすい環境づくり
こういうエントリを読んだ。
おっしゃることは良く分かる。
病院のインターフェースを統一したほうが患者さんは混乱しない、というお話だと理解した。
私にかかっている患者さんはしばしば病院のインターフェースは高度すぎて混乱する。そういうときには一度帰っていらっしゃいと必ず言ってあるので、受診してくださる。患者さんは断片的にしか自分が受けた説明を覚えてはいないけれど、それを患者さんが理解できるように説明しなおしている。
説明のノウハウはたくさんあるけれども、それは重要なことではないと思う。言い回しを統一しても、相手は動物ではないのです。むしろ「堅すぎる」と感じるかもしれない。
上記のエントリで、筆者は患者さんや家族からのフィードバックを真摯に受け止めているところが非凡だと思う。筆者は自然にしておられるのだと思うけれど、一部の患者さんだけでなく、すべての患者さんから適切にフィードバックを受けられる環境づくりは重要だと思う。
言いたいことがある人から意見を聞く、のではなくて、言いたいことがあっても遠慮してしまうような人々から上手に意見を引き出すコミュニケーションスキルは、患者さんの混乱を最も予防してくれる。
それほど難しい事ではないかもしれないし、とても難しい事かもしれない。コミュニケーションが苦手な患者さんが相手ならば、手紙だってメールだってなんでも良いのだろうと思う。
誰もが上手に患者さんの意見を引き出してくれるわけでは当然ない。なので患者さんには外来で、「医師へのお話の仕方」のような小講義をすることが多い。医師とある程度会話のキャッチボールが出来るように当院で練習していただくのである。
私は、プログラムを時々作る。当初は自分の作るインターフェースを最高のものにしなければとか、フールプルーフを完璧にしなければとか、かなり気負っていたように思う。
でも、ユーザーの側から見て、使いやすいのは自分にあったインターフェースであって、「平均」では決してないらしい、という事をこの10年で学んだ。
ただ、個々のユーザーは何が自分にとって最高かどうかはわかっていないと思う。そこをサポートするまでが私の仕事なのかと思う。
結局医師としても、プログラマーとしてもやっている仕事は何も変わらない。
おっしゃることは良く分かる。
病院のインターフェースを統一したほうが患者さんは混乱しない、というお話だと理解した。
私にかかっている患者さんはしばしば病院のインターフェースは高度すぎて混乱する。そういうときには一度帰っていらっしゃいと必ず言ってあるので、受診してくださる。患者さんは断片的にしか自分が受けた説明を覚えてはいないけれど、それを患者さんが理解できるように説明しなおしている。
説明のノウハウはたくさんあるけれども、それは重要なことではないと思う。言い回しを統一しても、相手は動物ではないのです。むしろ「堅すぎる」と感じるかもしれない。
上記のエントリで、筆者は患者さんや家族からのフィードバックを真摯に受け止めているところが非凡だと思う。筆者は自然にしておられるのだと思うけれど、一部の患者さんだけでなく、すべての患者さんから適切にフィードバックを受けられる環境づくりは重要だと思う。
言いたいことがある人から意見を聞く、のではなくて、言いたいことがあっても遠慮してしまうような人々から上手に意見を引き出すコミュニケーションスキルは、患者さんの混乱を最も予防してくれる。
それほど難しい事ではないかもしれないし、とても難しい事かもしれない。コミュニケーションが苦手な患者さんが相手ならば、手紙だってメールだってなんでも良いのだろうと思う。
誰もが上手に患者さんの意見を引き出してくれるわけでは当然ない。なので患者さんには外来で、「医師へのお話の仕方」のような小講義をすることが多い。医師とある程度会話のキャッチボールが出来るように当院で練習していただくのである。
私は、プログラムを時々作る。当初は自分の作るインターフェースを最高のものにしなければとか、フールプルーフを完璧にしなければとか、かなり気負っていたように思う。
でも、ユーザーの側から見て、使いやすいのは自分にあったインターフェースであって、「平均」では決してないらしい、という事をこの10年で学んだ。
ただ、個々のユーザーは何が自分にとって最高かどうかはわかっていないと思う。そこをサポートするまでが私の仕事なのかと思う。
結局医師としても、プログラマーとしてもやっている仕事は何も変わらない。
2013/02/03
医者の評判について
私は患者さんの口コミを信用していません。
その医者が良いとか悪いとかを患者さんが語るのは単に結果論でありまして、診断に至るまでの過程などを総合的に判断して医師を評価するほどの知識が彼らにはないからです。
口コミとは何で決定されるのでしょうか。
基本的には2つの軸を考えております。
1)患者さんの病気の深刻度
2)治療の結果
そしてそこにバイアスがかかります。
3)その先生が有名などという因子
4)ホスピタリティ
患者さんの病気が深刻な状態ではないのに、患者さんが医者を高く評価している場合には最も注意せねばなりません。
医者が誰でも結果は同じなのですから、これはむしろ医者の応対などを評価していると考えますので信用出来ません。
むしろ医者がマイナス評価を受けている場合に注目します。深刻な状態でない病気の場合、むしろ患者を来院しないように誘導するのが良医の特徴です。しかしそれを患者さんが「冷たい」「怖い」などと評価するケースが良くあるのです。
治療の結果が良好ならば患者さんの評価は当然良くなりますが、難しい病気ではなかなかそうなりません。従って、難しい患者さんばかり見ている先生の評価が必ずしも芳しくないという場合はよくあります。逆に意図的に簡単なケースを選別して自分を名医に見せかけることは簡単です。
評判にはバイアスがかかります。当院の場合ですと「院長先生は有名なんですってね」という事をおっしゃる方が多いです。
しかし、「有名なんですってね」と言う以上あなたは院長を知らないのは明らかです。だったら有名じゃありません。仮に有名ならなんなんでしょう。
以上、私が口コミを信用しない理由を述べました。
「じゃあどうやって先生を探せばいいの?」という質問があります。
「とりあえず近所の先生とよくコミュニケーションする」が私の答えです。
その医者が良いとか悪いとかを患者さんが語るのは単に結果論でありまして、診断に至るまでの過程などを総合的に判断して医師を評価するほどの知識が彼らにはないからです。
口コミとは何で決定されるのでしょうか。
基本的には2つの軸を考えております。
1)患者さんの病気の深刻度
2)治療の結果
そしてそこにバイアスがかかります。
3)その先生が有名などという因子
4)ホスピタリティ
患者さんの病気が深刻な状態ではないのに、患者さんが医者を高く評価している場合には最も注意せねばなりません。
医者が誰でも結果は同じなのですから、これはむしろ医者の応対などを評価していると考えますので信用出来ません。
むしろ医者がマイナス評価を受けている場合に注目します。深刻な状態でない病気の場合、むしろ患者を来院しないように誘導するのが良医の特徴です。しかしそれを患者さんが「冷たい」「怖い」などと評価するケースが良くあるのです。
治療の結果が良好ならば患者さんの評価は当然良くなりますが、難しい病気ではなかなかそうなりません。従って、難しい患者さんばかり見ている先生の評価が必ずしも芳しくないという場合はよくあります。逆に意図的に簡単なケースを選別して自分を名医に見せかけることは簡単です。
評判にはバイアスがかかります。当院の場合ですと「院長先生は有名なんですってね」という事をおっしゃる方が多いです。
しかし、「有名なんですってね」と言う以上あなたは院長を知らないのは明らかです。だったら有名じゃありません。仮に有名ならなんなんでしょう。
以上、私が口コミを信用しない理由を述べました。
「じゃあどうやって先生を探せばいいの?」という質問があります。
「とりあえず近所の先生とよくコミュニケーションする」が私の答えです。
登録:
投稿 (Atom)