胃潰瘍は、ピロリ菌を除菌すると完全治癒します。(←これ大切!)
ピロリ菌の除菌に失敗すると完全治癒はしません。
内視鏡で見ると、完全治癒かどうかはすぐにわかります。
除菌に成功したと検査で判定されても潰瘍が完全治癒しない場合、
癌ではないか、と疑い再検査、再検査を行う場合があります。
患者さんを心配させてはならないと思い、私が3ヶ月とか6ヶ月後に検査をするのは極めて稀ですけれど、なるべくやわらかく説明して繰り返し検査を受けていただきます。
ひょっとしたら除菌に成功していないのかもしれない、と別の検査を行うと陽性で逆に安心したりします。その場合は再除菌を行います。
こうした経過で患者さんと会話していると、とても嫌な気持ちになることがしばしばあります。
不安そうな患者さんの様子が気になり聞いてみると、
「そんなに検査してるなんて、おまえ癌じゃないの?」
「癌になりやすいんだよ、おまえ」
そういう事を本当に言う友人・知人がかなりいるそうです。
そして患者さんは傷ついているのです。
以前から繰り返して言っていますが、
例えば友人を心配して病院に行かせたいと思ったとしても、
「おまえきっと癌だから」などの脅しを使ってはなりません。
「おれがおまえを連れて行くから一緒に行こうよ」と付き添うのが友情です。
あなたが愛する友人に、「癌なんじゃないの」と言われたらうれしいですか?
いつからこんな風潮になってしまったのか、とやり切れなくなります。
テレビがあなたを脅かすかも知れません。テレビがあなたの外来についてきてくれるんですか?
健康食品屋や保険屋があなたの外来についてきてくれるんでしょうか。
もちろん脅かす彼らが悪いのですが、あなたはそれを鵜呑みにして傷ついてはいけません。
心ない一言を浴びせかけられても、あなたは気にしないで良いと思います。
あなたのことを心配しているわけではない人々の一言は軽い。
患者さん、つまりあなたの事を一番心配しているのは誰でしょう。
二番目は医者ですよ、ちなみに。
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