2010/04/19

刺激物とは香辛料の事ではない

患者さんが大いに勘違いされているのが、

「胃が調子が悪いので、刺激物は避けた方が良いでしょうか」

の中で使われる、「刺激物」という言葉の意味です。



食道や、胃の粘膜を荒らすもの、とは何か。

それは口に含んでみて、口の中にびらんを生ずるものです。すなわち、

1)冷たすぎるもの

2)熱すぎるもの

3)塩分などの浸透圧が高すぎるもの

4)濃いアルコール

5)ある程度以上の酸

6)ある程度以上のアルカリ

以上が刺激物のうちわけであって、香辛料やコーヒーは含まれないことに注意してください。

確かにすでにびらんがある状態で、トウガラシを口に含めば痛かったりするかもしれませんが、トウガラシそのものが組織を傷害する力は上記のことどもに比較すれば小さい。

たくさん漬物を食べる地域では胃がんが多いなどと言われます。漬物の塩分は濃い上に、液体のようにすぐに拡散しませんから始末が悪い。したがって胃への刺激は比較的あるはずだと考えるべきでしょう。

スパイシーな食べ物より漬物のほうが胃への刺激があるのです、というと患者さんは納得しにくいかもしれませんね。しかし刺激物というとすぐにトウガラシとコーヒーを想起する方が多いようですが、私が想起するものは違うものです。ご参考までに。

0 件のコメント:

コメントを投稿