2013/03/31

機能的な異常のEBMには背景の細かい分析が不可避

題名の通りです。

なぜモサプリドを一律に逆流性食道炎に使ってはならないかの答えがここにあるのです。
(添付文書では適応症は慢性胃炎による胸焼けなどとなっています。なぜ逆流性食道炎がないのかを考えてください)



逆流性食道炎と呼ばれる病態の背景には、

1)胃の委縮の度合いとピロリ菌の有無
2)体重
3)性別
4)排便習慣
5)嗜好品
6)使用薬剤
7)体格や胃の形状
8)遺伝子の差

などが存在し、それにより投薬した時の結果は異なります。
これらを無視して治験を行ってもうまくはいかないのです。

便秘の新薬がなかなか出てこない、あるいは出ても売れない理由は同じではないでしょうか。


FD(機能性医症)、IBS(過敏性腸症候群)でも同様に背景を重要視しています。
もっともこれら二つの病名はほとんど使わないのですけれども。




そしてこれらの解決には、

1)ライフログ
2)高度な統計処理
3)ビッグデータの活用

が大切です。
つまり解決するのは医者ではなくて、数学の出来る科学者なのでしょう。
今は私の脳内コンピューターが大雑把なシミュレーションをしているに過ぎないのです。

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