2017/03/02

続・医者に「精神的なものだ」と言われたら

医師側に要因がないかどうかを考える。

・自分の専門分野について異常がない、という説明は見落としが起こっていることがわからないので無意味。
ー鑑別診断を挙げ、それらをこういう根拠で否定した、という説明が非常に丁寧。
ー医師の質は均質ではない事を意識しておくこと。説明の記録が重要。
 (記憶は全く役に立たない)
・途中で症状経過を整理してくれる医師に出会えると幸せ。
ー状況を混乱させないためには、きちんとした記録が必要であるため。
 (そうした労をいとわない医師を大切に思うこと) 
・診療情報提供書が極めて重要で、中身のある情報のやり取りがあればなお良い。
ードクターショッピングを途中で止めてくれる意志のある先生に出会う事が大切。

今まで見た患者さんの病歴を振り返ると、必ずその中に一人以上親切な先生がおられるのだが患者が素通りしているケースが多いです。診断が滞った時に、その医師の元に戻ったら知恵がいただけるのではないか。

患者側に要因がないかどうかを考える。

医師が精神疾患に伴うものだ、と考えがちなケースは以下の通り。
・多彩な症状を訴え、要領を得ない
・症状が一貫しない、ないしは一貫していないと誤解されるような言い回し
・医師の治療になんら反応しない(全くフィードバックがない、「全然」というような言い回しを使う)
・気分が不安定でコミュニケーションが取りにくい
・偏った考えを持つ(難病不安、精神疾患を絶対に否定)

善意の第三者が必要なケースが多くあります。公平で理知的な家族や友人がいると良い。また、人間の記憶は実に曖昧で、しかも記憶の書き換えすら生じますので、「自分は今困難な状況にいる」と思ったらその時点から日記をつけるべきです。

精神科は終点ではないし、しかも一つではない。

たとえば病状が長引くと精神症状が出てくるスプルーのような病気もありますし、医師に言われた一言で傷ついてPTSDのような症状になっている人、消耗して睡眠障害や気分障害が認められるような人もいます。それがますます症状を複雑にすることがあります。
したがって、精神科に相談することで改善することは多くあります。その症状が精神疾患に伴うものであれ、そうでない場合であれ、精神科を受診することで恩恵を受けることがありますから患者自身がその可能性を否定してはいけません。
良く患者が言う言葉に「薬があわなかった」というものがありますが、それはどんな病気でもあり得ることで、薬に対する反応で病態を医師が把握しようとしてくれますから通院を一回でやめるのはもったいない。別の医師によるアプローチで軽快する場合もあります。

まとめ:気が急いてしょうがない精神状態は状況を悪化させてしまう。

不安や焦りは病気の診断にはノイズになってしまいます。
こういう状況に陥ってしまった方を見ていると、周囲で静かに支えてくれる方が多くはなく、不安を煽る一言を本人に言うような寄り添いの態度に欠ける方々の存在を感じます。インターネットにも不安を増幅させる言葉やネガティブな感情、根拠なく安心させようとする言葉が並んでいます。少なくとも不安を与えるものとは少し距離を取るほうが良いでしょう。

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