2013/12/23

NFCかQRコードか

患者さんに心電図や血液のデータ、レントゲン、エコー、内視鏡写真、そして私が書いたサマリーを安全に、瞬時に、患者さんを煩わせずに電子的に渡したい。そういうことが可能でしょうか。

USBメモリ:物理的な接続があるのでだめですが、情報の取り扱い方についてのパイロットスタディは出来るでしょう。しかしそれならば形にこだわらず、情報が保存できるメモリがあるデバイスならばなんでも良い。USBメモリ、という形にこだわるのは愚かです。

NFC+Bluetooth:ペアリングをNFCで行いBluetoothで通信をするというのはやや現実的ですが、患者さんがそのデバイスを持っていなければならないという欠点があります。

NFC+Wi-Fi:ペアリングをNFCで行うと煩雑な手続きを簡略化することができるし、Bluetoothよりもスピードが現実的です。

どの業者も自分がイニシアティブを取りたいのです。患者さんが受けている医療を個人情報抜きでも知ることが出来ればそれは大きなビジネスチャンスだからです。競争は熾烈になるだろうと思います。使えなさそうな技術が普及しそうになったときは邪魔しようと思っています。例えばICカードの中に患者さんの医療データを入れるというのは容量、スピードともに非現実的です。クラウドも面白いのですが、24時間稼働はしないでしょうし、やはりローカルに皆さん自分でデータを二重化しておくほうが安全でしょう。

電子カルテダイナミクスでは赤外線を使って患者さんにテキスト情報をお渡しするソフトウェアがありました。現在はQRコードを用いて情報をお渡しするソフトウェアがあります。まずはそれらの活用をするのが現実的ではないかと思い、現在いくつかのソフトウェアを開発しています。

(株)ダイナミクス社が提供しているソフトをご紹介します。
まずは Candy for Android
そして Candy for iPhone

これは、電子お薬手帳です。
私は現在、当院の院内処方だけでなく、他の医院の処方も管理出来るように入力出来るようにカスタマイズしている最中です。もうしばらくお待ち下さい。電子お薬手帳の便利さは緊急時に実感出来ます。最近でも経験がありました。ひどい薬疹の方の原因薬剤がわかったのも、薬歴がコンピューターで管理されていたからでした。めったに薬疹を起こさないお薬で、手作業での管理では盲点になったことでしょう。

他には自分の医療関連の基本情報をあらかじめ入力しておくソフトを開発しています。それを医療機関に持って行って読み取ってもらうと、いろいろな問診が簡単に済むというものです。
ウイルス感染が怖いので、USBメモリ、メール、CD-ROM、すべての電子データを医療機関は嫌がって受け付けてくれません。その点QRコードはウイルス感染の危険がないと言えるのでこれに基本情報を入れておくのは有用かもしれないと考えているのです。

これらはAndroidとiOSにしか提供出来ませんので、重要な情報はQRコードを印刷してお薬手帳に貼ってしまう、という方法も考えています。電子化は大変大切です。ミスを防ぐことが出来ますから。

身体は一つしかないので、頑張りますがいつ出来るかわかりません。

別に外来で3時間も待たせてしまうのはこういう仕事をしているからではありませんよ。難しい患者さんが来るからです。その人々がせめて他院でのお薬を手帳で整理し、他院や検診の血液検査を整理し、主治医がサマリーをちゃんと作っておいてさえくれれば、確実に待ち時間は半分になるんじゃないかと思います。初診の方がそうなってくれないといけないので、当院の患者さんに私のソフトが普及してもどうしようもありません。私がソフトを作るのは私が将来楽をしたいから。だから今、頑張っています。

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