内容は、
フィンランドのヘルシンキ大学が、アルコールで問題を抱えている男性と、問題のない男性で、インスリンとグリコーゲンのレベルを測定した。アルコールは膵臓からのインスリン分泌をうながす物質で、糖尿病患者では時に低血糖を誘発することがあり危険です。この研究では、興奮の結果低血糖になったのか、低血糖が興奮を来したのかは明らかにしていませんので本当に低血糖を予防することが(そもそもできるのか?)問題解決の糸口になるかわかりません。それはともかく、当院での事例もひとつのヒントになるかもしれません。
前者のうち、その後8年間で飲酒後に暴力ざたを起こした人は、インスリンレベルは高く、グリコーゲンレベルは低いことが明らかになった。
研究チームは、以上から、グリコーゲンの生成を促すと同時に低血糖リスクを抑える物質を摂取することが、こうした衝動的な暴力行為に対する有効な治療法であると考えられるとしている。さらに、お酒を飲むときは食べ物も並行して摂取するという習慣も重要だと指摘している。
当院では上部内視鏡で意識下鎮静というのを行います。具体的には硫酸アトロピン、ジアゼパム、ペンタゾシンをそれぞれ少量ずつ静脈内投与します。この量は患者さんにより0~100%の間で増減させます。この方法はごくありふれたものと言えます。(当院の院長はもう40年以上もこの方法で鎮静を行っています)
私は他の病院でも内視鏡検査を行いますけれど、当院の内視鏡が不思議だなと思う点が何点かあります。そのひとつに、患者さんの体動が少ない事があげられます。他の病院で検査をすると、かなり体動で苦労する事がありますが当院ではそれがない。はじめから終わりまで、患者さんはピクリともしません。
同じように他の病院でもやっているのに、何が違うんだろうと思っていました。
しかし、このAFP Newsをヒントにするとこう解釈できます。すなわち、
当院では検査前に必ず甘いジュースを全例に飲んできていただいています。
だから血糖値が下がらず、したがって攻撃的にならないのです。
これはかなり自分的には説得力のある説明です。何しろ他院と当院との違いはこのくらいしかないのです。
当院院長はかなり頭が柔軟な元麻酔科医兼外科医です。アメリカで研修しておりますので、麻酔の知識はあちらで取得したものですが、麻酔前には夜12時まで飲食OK(no drink or food after midnight)と指導されていたようです。また、内視鏡時の飲水については全く問題ない事はわかっていました。ですから、以前より内視鏡当日の飲水は自由としていたのです。それがなぜ甘いジュースになったのか。
それを語ると長いのでやめますが、ジュースの中に必ず入る消泡剤が胃をきれいにするという経験、甘いものを飲んだ人の方が検査後明らかに調子が良さそうなどなどの経験知から次第に甘いジュース推奨に変わってきたわけです。
たしかにジアゼパムを使うと脱抑制になり攻撃的になる人がいても良いはずです。それはペンタゾシンやオピスタンで抑制できると考えられますが、それでも当院での体動の少なさはどうにも説明できず、どうも血糖値が重要なのではないかと思うに至りました。
大腸内視鏡で鎮静剤をあまり使わないのは痛くないからです。でも痛くないのに不機嫌という人は多いのです。それもおそらく低血糖なのでしょう。今度から点滴内にブドウ糖を入れてみようかと考えています。(下剤を飲み終わり大腸がきれいになったら、検査直前にはジュースなどを飲んでも良い事にしていますから、それを推奨しても良いかもしれません)
甘いジュースの内容を
返信削除是非ご教示下さいませ。。
患者さんには、「糖分の入った透明な飲み物。できればペットボトル入りのもの」と指定するとスポーツドリンク系を選ばれる方が大多数を占めます。
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